九州大学 農学部 ガイドブック 2024
5/48

生命科学研究の急速な発展を背景に、生物機能の解明・利用・創製を目指した新農学生命科学領域を先端的基盤研究分野として位置づけ、強力に推進する。 アグリフードシステムとは、農産物および食料の生産・流通・消費の全体系を表している。安全な食料を持続的に供給できる次世代アグリフードシステムの実現は、人類の大きな課題といえる。その実現のための基礎概念の一つとして、「環食不二」が提唱されている。これは、「環境と食料は分かち難く、健全な環境に健全な食料が育まれる」という考えに基づいている。こうした視点から、環境・食料リスクの予知、制御、管理のための理論の確立と技術開発を目指しています。食料リスクに関する日中ワークショップ「環食不二」の視点から、環境・食料リスク研究の成果について「China-Japan Workshop on Agricultural Risk Management and Food Safety」と題するワークショップを開催した。地球規模での環境保全の立場から、生物多様性に配慮した環境調和型・物質循環型の持続的な生物生産・農村空間システムを構築する環境科学領域を推進する。中長期的な食料生産力の増大を目指す観点から、アジアモンスーン地域における潜在的食料生産力に着目し、生物資源、生物利用、環境保全、農村開発を含んだ国際アグリフードシステムの研究を推進する。 安全で健康な生活の構築に資する食生活を実現・保障するために、動物、細胞、分子レベルで、食品成分の生活習慣病改善やアレルギー予防、精神機能の改善など健康機能の解明、食品の安全性確保技術等に関する研究を行い、その成果として健康の維持・増進に資する機能性食品等の開発等、社会に貢献している。 お茶の成分のメチル化エピガロカテキンガレートがアレルギーの発症を抑制する事を発見し、高濃度にこの成分を含む茶飲料やサプリメントを開発しました。イワシタンパク質分解物中に血圧降下作用を示すペプチドを発見し、この「サーデンペプチド」は、特定保健用食品素材として様々な製薬・食品メーカーで使用され、「トクホ」許可(消費者庁)商品が発売されています。食の安全・安心に対する社会的ニーズを踏まえて、食料の機能性・安全性に関する研究、信頼できる食料供給システムの構築を推進する研究を進める。04研究の柱③国際アグリフードシステム科学研究の柱④食科学①②③④すべては命の源 農からはじまり 農によって未来は開かれる

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る