九州大学 経済学部 CAMPUS GUIDE 2024
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8[上]欧州中央銀行訪問[下]海外の特別講師を迎えてのゼミ風景財務会計を専門とする本ゼミでは、ビジネス・パーソンとなるのに不可欠な会計学の知識やスキルをまず修得します。さらに、会計を通じて見えるグローバル化の諸問題についても研究します。ビジネスの言語ともいわれる会計のルールでさえもなぜ国や地域で異なっており、なぜ統一させるのが難しいのか。経済的・政治的・社会的環境の影響を受けて形成されている各国の会計の状況、その国際的相違、ならびにその相違を減少させる取り組みなどの研究を通じて、考え方の異なる他者の価値観・信念をいかに受容していくか、いかに共有していくかといった未解決の社会経済的問題に挑みます。また、ゼミでは、学生の自主性を尊重しながら、ゼミ内でのグループワーク・ゼミ合宿、学内外・国内外の研究室との合同ゼミ・交流会、国内外の企業や監査法人の訪問・インタビュー、国内外での研究発表などを積極的に行い、専門性・国際性・社会性・人間性を養っています。これらの経験を通じて、経済・経営の知識やスキルの修得にとどまらず、人間的に魅力のあるリーダーを育成することを目的としています。経済・経営学科「九大経済学部に入って良かったと実感した」――3年次生になってゼミ(演習)で勉強を開始した経済学部生の多くが、毎年こうした感想を寄せています。ゼミでは、1-2年次に身につけた経済学の基礎知識をもとに、より専門的な理論的・実践的課題に挑戦します。大学で勉強することの醍醐味が、そこにあります。九州大学経済学部では、ゼミは「必修科目」で、卒業までに必ず履修しなければなりません。また、受講人数も平均4〜6名、最大でも約10名と決められており、教員によるきめ細かい指導が行なわれています。ここでは、異なる分野から6つのゼミをピックアップして、ゼミでの勉強について紹介しましょう。開発経済を専門とする水野ゼミでは、開発途上国・地域の経済開発について学びます。ゼミ学習は、やや専門的なテキストの輪読から開始します。輪読を通じて開発経済の基礎的な知識を修得し、開発途上国の抱える課題を考察します。また、日本の開発途上国に関わる機関を訪問し直接話を聞くことで、理解を深めます。これまでJICA九州、途上国へ技術支援をしている福岡市水道局や外国人技能実習生を受け入れている大山農協・阿蘇農協などを訪れました。3年生は、メンバーの研究関心を考慮してグループを編成し研究に取り組みます。例年3つのグループに分かれ各々で研究課題を設定します。資料収集に手間取ったり、研究を進めるなかでチームワークが乱れたりといった苦労もしますが、学内インゼミでプレゼンを行い、研究成果をまとめあげたときには、達成感を味わうことが出来ます。4年生は、グループ研究の経験を生かしてゼミ論文を作成します。これまでの8年間で70名の卒業生が、企業や官庁に就職したり、大学院に進学したりと様々な進路に進みました。現在は、3・4年生14名が共に学んでいます。[上]インナーゼミの終了後に[下]新年度を迎えたゼミ集合写真経済・経営学科[上]ポスター報告会の様子[下]集合写真日本経済論を専門とする藤井秀道ゼミでは、定量的なデータを活用した分析により、日本経済の強みや課題について学びます。このゼミで大事にしている点は①学生が自ら手を動かしてデータセットの構築や分析を行うこと、②他の学生の研究報告に対して質問をすることです。次にゼミでの活動について紹介します。3年生は5人1組で日本経済新聞社が主催する日経STOCKリーグに参加します。日経STOCKリーグは参加学生が日本経済や株式投資に触れながら、企業の取り組みや経済政策動向を学ぶ学習プログラムになります。このイベントへの参加を通じて、他学生と協力して目標に向けて取り組むためのノウハウを身に着けることが期待できます。2020年度に参加した学生の作成したレポートが高く評価され、九州大学のチームとして初めて入選を果たしました。4年生では、3年生で実施した調査の経験を生かして卒業論文を作成します。研究内容はポスター報告会などで発表を行い、自分の考えを他者に伝えるスキルを身に着けます(写真[上]を参照)。これまでの4年間で22名の卒業生が、企業や官庁に就職したり、大学院に進学したりと様々な進路に進みました。現在は、3・4年生20名が共に学んでいます。経済・経営学科ゼミ紹介潮﨑 智美ゼミ水野 敦子ゼミ藤井 秀道ゼミ

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