九州大学 2024年度 理学部案内
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▲海底温泉(熱水)の海底下の 流れのシミュレーション17 卒業研究発表会実験・実習 野外地質実習宇宙空間と地球を結ぶ大規模電流のシミュレーション▲磁力線に沿って極域電離圏に出入りする電流の空間分布を再現したもの。黒線の外側は閉じた(両端とも地球に繋がる)磁力線の領域で、黒線と磁気緯度約70°の間ではオーロラが観測される。通常オーロラは環状だが、ここでは真夜中部分が大きく変形し、真昼に向かって舌を出したような形になっている。一方、黒線で囲まれた領域から出る磁力線は惑星間空間に到達し地球へ戻らない。■複雑な自然現象をコンピュータに再現 (シミュレーション)して解析する太陽系で木星ができるときに周囲からガスが集まってゆく様子▲のシミュレーション中央のオレンジ色の部分が誕生したばかりの原子木星で、帯はガスが通る経路(流線)を示す。木星は主に水素でできた巨大な惑星である。流線に沿ってガスが流れ込むことで、はじめは小さかった原子木星が大きくなってゆき、約10万年経つと現在の大きさになる。流体圏・宇宙圏科学九大独自のグローバル地上観測や人工衛星データおよび数値シミュレーションにより、オーロラ現象に代表される太陽風・磁気圏・電離層の相互作用の研究を進めています。また対流圏に生じる現象(例えば、台風、梅雨など)やオゾンホールの研究を観測データの解析や数値シミュレーションにもとづいて行うとともに、これらの現象を支配する流れに関する基礎研究を進めています。固体地球惑星科学過去46億年間の地球惑星の歴史および現在の地球惑星内部の構造・運動を種々の方法で研究しています。例えば、地震学的手法による地球内部構造、数値シミュレーションによる地球惑星内部の運動の研究を行っています。また堆積物、化石、地質構造、岩石の性質などの研究から、地表付近でのさまざまな地質現象(例えば、造山運動や火山活動)とその変遷をとらえ、地球内部の運動や環境変動を明らかにする研究を進めています。▲台風のシミュレーション白が雲、青が雨、赤が台風の眼、矢印は地表面の流線を表す。左の図の白線と矢印のように海底から海水が地下にしみこみ温められて海底に噴出する。左の図の黒線と色は温度を表す。右の図は塩分を表す。地下の高温高圧下では、非常に濃い塩水ができることが分かっている。学部時代の最も大変な行事は卒業論文(特別研究)の作成です。第4学年にて全精力を傾けて、研究活動に打ち込み、1月にはこの研究成果をポスター形式で発表します。様々な分野の教員・大学院生・学部学生と議論を行い、研究の楽しさ、難しさを学んでいきます。この日、大学生活で最も充実した1日になります。地球や惑星について理解する上で大事なことは、地球を観察することです。46億年という長い時間をかけて形成された地球には、その変動の歴史が地質記録として刻まれています。また、火山・台風・地震など様々な地球変動をリアルタイムに観測できます。地球の営みを観察・観測するために、2年生で九州横断巡検や天草地質実習など、泊まり込みで自然と接し、グループで論議しながら過去の営みを理解する野外学習が用意されています。太陽惑星系物質科学物質に関する物理・化学的知識を基盤として、隕石を用いた地球や惑星の起源の研究、地球惑星深部の高温・高圧下での物質の性質・挙動に関する実験的研究、化学的手法にもとづく地球表層や地球深部での物質循環、地球環境中の有機物の分析による環境変遷、生物活動解析を行っています。また、物質科学的研究を考慮した太陽・惑星系の起源・進化の理論的研究を進めています。地震学・火山学地震火山観測研究センターに所属する教員からなります。地球物理学・測地学・地球電磁気学の手法をもちいていて九州や日本各地の地震や火山を観測し、地震発生や火山噴火のメカニズムの研究を進めています。地球惑星博物学(協力講座)総合研究博物館に所属する教員からなります。軟体動物化石にもとづく生物進化の研究を行っています。地球惑星科学科で行われている研究

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