九州大学 医学部 生命科学科紹介 2023
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待っていた学生生活は毎日が刺激と発見の連続です。何より私がここに来られてよかったと思えた理由は最高の仲間と出会えたことです。私が医師を目指さなくなった理由の一つに「人間関係の難しさを知ったこと」があります。同じ学科の人だけでも仲良くなれればと思っていましたが、それでも新しい人間関係には不安ばかりでした。ですが、私の周りにいる最高の仲間はいつも私を頑張ろう!と奮い立たせてくれ、不安で押しつぶされそうな時はそっと手を差し伸べてくれ、同じペースで歩いてくれます。何より同じ研究者という夢を持つ友人の存在は、ここに来なければ出会えませんでした。授業も、ご飯も、放課後の何気ない時間も、常に一緒にいる仲間の存在は、忙しい毎日を送る中で欠かせないものです。最後に、私は今「精神病態医学研究室」に配属されています。うつ病をテーマに、細胞実験を行ったり培養したり、高校までではできなかった体験をさせて頂いています。後期には英語での発表があり、新しいことを吸収していく毎日です。大変なこともあり思い描いていたような学生生活とはいかないかもしれません。それでも今私が抱く夢に向かう一本道を、この生命科学科でまっすぐに突き進んでいます。迷っているそこのあなた!18期生として会えること、楽しみにしています。 生命科学科3年、15期生の日吉恵都です。 突然ではありますが、今皆さんはなぜこの生命科学科のパンフレットを見ているのでしょうか?医学研究者を目指しているから? 将来のもう一つの道の候補として? 私の生命科学科との出会いはあまりにも突然でした。元々児童精神科医になりたかった私は医学科を志望しており、高校2年生の時は医学科しか目指していませんでした。ですがオープンキャンパスの際に、母が折角行くならこの学科も見てみようと言ったのが生命科学科でした。どうして医者になりたいのに見なきゃいけないんだ!なんて思っていましたが、最終的にはここに来ているのです。それは「臨床医になりたくない」、「部活でしてきた研究が楽しい」、そして「精神疾患に関わる仕事をしたい」という思いが合わさったからです。私の周りは医師を目指す人が多く、進路変更には勇気がいりました。ましてや定員は12人。人生を賭けた受験なのにもっと狭き門を通ろうとする勇気はなかなか出ませんでした。ですが、3年生から研究が行え、医学科の学生と同じ授業を受けられるというアドバンテージに惹かれ、最終的に強い意志を持ってここを志望しました。 生命科学科3年の佐野優衣です。 今回、高校生の皆さんに向けてメッセージを書く機会を頂いたので、私が生命科学科を目指した理由と、生命科学科の良い点について説明していこうと思います。 私は小さいころから植物や動物が好きで、小学校の頃はグラウンドで遊ぶことよりも花壇にいる蝶の卵やダンゴムシ、メダカの観察をすることの方が楽しいという、少し変わった子供でした。高校生になって、オワンクラゲからGFPの抽出に成功した下村脩先生の業績を知り、生物が医学の発展に貢献できることを知り、基礎医学研究者を志すきっかけとなりました。また、iPS細胞などの画期的な多能性幹細胞が開発され、再生医療に強く興味を抱くとともに、医学を学びたいと思うようになりました。 研究者になるならどこの大学のどの学部でもなれますが、九州大学の生命科学科は医学部であり、医学科と一緒の授業を受けることができること、3年の前期から研究室配属があり、早くから研究に触れることができること、研究者を目指す人の教育に特化しているということなどが決め手となり、生命科学科を志望しました。 生命科学科は募集人数が12人と、とても人数の少ない学科なので同期とすぐに仲良くなれます。また、上級生や下級生との繋がりも強いというところが特徴的です。真面目で優秀な同期に負けるまい、と日々努力し、お互いに切磋琢磨できる仲間ができたことは、一生の宝であると感じています。 高校生のみなさんに伝えたいことは、一生懸命頑張っていれば、その努力は誰かがみてくれる、ということです。高校で頑張れば、周りの友達、先生方はあなたの努力を見てくれます。大学で頑張っていれば、同期や教授がそれを見てくれています。さすが、生命科学科の子は、と一目置いてくれるはずです。 個人的に、生命科学科は研究者としてアカデミックに残る人向けの学科なのかな、と思っています。しかし、だからといって、生命科学科に入ったらそうしなければならないというわけではありません。実際に就職する人もいるけれど、それは本人が決めたことなので悪いことではないです。自分の興味のあることを学び、突き進んでいく。そして、それを楽しむ。それこそが、一番大切なことだと思います。 基礎医学研究がしたい、という熱い気持ちをもっている皆さんと会えるのを楽しみにしています。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。− 12 −3年 日吉 恵都3年 佐野 優衣 先輩からのメッセージ 令和5年7月作成

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