九州大学 GUIDE BOOK 2026
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博士後期課程1年地球の未来に貢献する力を身につける芸工という場所入口 梨佳工学府地球資源システム工学専攻選択肢が豊富な農学部芸術工学部芸術工学科音響設計コース3年後藤 尋農学部農政経済学分野令和7年3月卒業土井 寛乃 大学案内をお読みのみなさん、はじめまして。みなさんの中には将来自分は何をしたいか、何について学びたいのか悩んでいる人もいるかもしれません。そこで、入学してから配属したいコースや分野を選ぶことができる九州大学農学部を選択肢の1つとして考えてみるのはどうでしょうか? 九州大学農学部では学科が1つしかなく、コース・分野配属が行われる2年生の7月までじっくりと時間をかけて自分の進みたい分野を選ぶことができます。1年次は「農学入門」という科目で、すべての研究室の先生方が自身の研究内容について講義を行ってくれます。そのため、自分の興味のある分野を探すことができます。コース・分野に配属された後も、他の分野の講義を受けることができるので、「専攻は違うけど、これも学んでみたい」と自分の視野を広げるきっかけを作ることができます。 私は1年生の時に、農学部が行っている「英語力強化プログラム」に参加し、英会話を毎日続けることで英語を話せることの楽しさを知ることができました。また、アジアやアフリカからの留学生も多いので、英語でコミュニケーションをとったり、母国での生活について教えてもらったりと他国の文化に触れる機会が多くありました。また、研究室の友人は留学先からTeamsでゼミに参加し、卒業研究を進めるなど言語力を伸ばすための支援がそろっています。 キャンパス内に広大な農場があるところもポイントの1つで、農場実習を通して分野の仲間たちと協力しながら、自然豊かなキャンパスで学ぶことができます。また、学生食堂のメニューも豊富で、定食の選べる小鉢も毎日変わるので、もし農学部まで来ることがあったら、ぜひ味わって欲しいです。 “工学って何だろう?” そう思っていた高校生の私は、今、水素を作る研究に夢中になっています。私は、工学とは数学や物理学、化学、地学などの自然科学を使って新しい技術を開発し、私たちの生活をより豊かにする分野であると思います。例えば、皆さんに身近なものを挙げると、スマートフォンや車、エネルギー、道路などは全て工学の力で生まれました。このように、工学を学ぶことによって社会の発展に貢献できる力を身に付けることができます。九州大学の工学部では、電気情報、物質科学、地球環境、エネルギー、機械航空、建築など様々な工学分野の最先端を学ぶことができます。 先ほど、工学は私たちの生活をより豊かにするものだと書きましたが、それと同時に、工学に携わる者は地球の未来を守らなければなりません。私は、高校性の頃に得意だった数学を活かしたいという理由で工学部に入学しましたが、専攻科目で日本のエネルギー自給率の低さや深刻な地球温暖化の現状について学んだことがきっかけで、石油や天然ガス、セメント、金属などの資源の持続可能な開発に携わりたいと考えるようになりました。現在は、大学院というところで、日本の地下に大量に眠っている未利用の石炭資源から水素を作り出す研究を行っています。石炭というと、燃やすことで二酸化炭素が発生するなど地球環境にあまりよくないというイメージがあると思いますが、私が行っている研究では、石炭を掘らずに地下でそのまま燃焼させて水素を回収しています。これによって、地球環境への負担が少なくなったり、経済的・技術的に回収できず無駄になっていた未利用資源の有効活用に貢献できたりします。また、回収した水素は利用するときに二酸化炭素を排出しないことから、近年、燃料電池自動車に使われるなど未来のクリーンエネルギーとして注目されていて、既に私たちの生活の中でも活用されています。 このように、高校での勉強と大学での勉強・研究はかなり違いますが、私自身が経験したように、今学んでいることは大学での学びに必ず繋がり、自分のやりたいことをきっと見つけることができると思います。ですので、数学や物理が苦手な方も多いかと思いますが(実は、私も物理がかなり苦手な高校生でした。。)、ぜひ諦めずに頑張っていただきたいです。皆さんの努力が実を結ぶ瞬間が訪れます。最後になりますが、九州大学の工学部で自分の好きなことで持続可能な社会の発展に貢献し、未来を創造してみませんか。九州大学で共に学べる日を楽しみにしています! 「芸術工学部」、通称「芸工」と聞いて、どんな場所を想像しますか?芸術について学ぶところ?工学について学ぶところ?九州大学芸術工学部は、環境設計・インダストリアルデザイン・未来構想デザイン・メディアデザイン・音響設計という5つのコースを持つ、デザインについて幅広く学び、実際に『創る』ことを深く追求できる場所です。 私は、昔から「音」の世界に興味を持っていました。人の心に響く音、空間を彩る音、情報を伝える音...。そんな音について専門的に学べる場所を探してたどり着いたのが、「音響設計コース」でした。ここでは、音の物理的性質や文化的側面、そして聴覚の仕組みまで、多角的に音を学ぶことができます。レコーディング技術を実践的に学んだり、微細な音の違いを聞き分ける訓練をしたりする授業もあり、日々「音」への解像度が上がっていくのを実感しています。 芸術工学部の魅力は授業だけではありません。学生主体の活動も非常に盛んで、サークル活動や自主制作、個展などが活発に行われています。中でもユニークなのが、九大祭とは別に開催される学園祭、「芸工祭」です。ライブパフォーマンス、インスタレーション展示、ファッションショーなど多岐にわたる企画があり、 企画演出から舞台美術、映像制作、音響効果、照明、配信、衣装、広報に至るまで、全てを自らの手で作り上げます。私も現在、第22回芸工祭実行委員長として、「彩響」な学園祭を作るために奮闘中です。学年やコースの垣根を超え、それぞれの得意分野を活かし、時には新しい挑戦をしながら一つのものを創り上げる経験は、他では得難いものです。 芸術工学部という、日本でも数少ない学部だからこそできる、刺激的で深い学びと創造の体験がここにあります。芸工での日々は、あなたの大学生活をきっと豊かに彩ってくれるはずです。皆さんとこのキャンパスで一緒に、新しい何かを創り出せる日を楽しみにしています。

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