三重大学 2021大学案内
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現在主流の半導体とは異なる、超伝導単一磁束量子デバイスを用いた、超高速かつ低消費電力の未来のコンピュータを設計しています。0と1の論理に基づくディジタル回路であることは従来と同じですが、論理の表現法が異なり、また、数十ギガヘルツの高速動作のため、構成に様々な工夫が必要になります。これまでにない条件下での回路設計には、専用の設計ソフトウェアも不可欠です。その実現には、複雑な問題をモデル化し、賢く処理するアルゴリズムを考えることが重要です。情報工学実験「マイコンによるロボット制御」小型コンピュータ(マイコン)を搭載したロボットに独自のプログラムを組み込んで白いラインで描かれたコースを走らせる速さを競う、コンテスト要素を取り入れた演習です。組み込むプログラムの品質がロボットの性能を大きく左右します。学生はこの演習を通じて IoT 機器開発を支える「組み込みプログラミング」の基礎を学びます。コンピュータサイエンス講座では、あらゆる情報処理の基盤となるデータ構造やアルゴリズム、プログラミング言語処理系を始めとするソフトウェアの開発環境、アプリケーションの高性能化のための並列処理技術、また、これらを支える先進的なハードウェアの設計、などを研究しています。知能システム工学講座では、カメラ、マイクなどの各種センサ(IoT機器)により計測された大量の情報をコンピュータに取り込み、人間と機械に的確な情報を提供する人工知能システムについて研究します。この研究により、より人間らしい快適な生活ができる高度情報化社会の構築を目指します。情報ネットワーク工学講座では、IoTにとって重要な役割を果たしている情報通信ネットワークに関連する研究を進めています。より快適で安全な社会の実現を目指して、情報化社会の基礎となっている光ファイバ、無線、ネットワークにかかわる技術、また画像処理技術について研究開発しています。情報ネットワーク工学講座人間情報学講座では、人間の知覚、認知、行動に関する人間情報学の基礎的・応用的研究を通して、人間の認識能力や、人間の反応や行動に合わせた特性を備えた、人に優しいコンピュータシステムを開発しています。人間情報学講座モノが直接インターネットにつながるIoTをベースとした社会では、情報工学が扱う分野も拡大し、情報系技術者には幅広い工学分野の技術の習得が求められています。このような状況から、従来の情報工学に加え、他分野との境界領域の専門知識をも身につけた、拡大しつつある情報工学分野に対応できる技術者の育成を目指しています。■情報工学コース■総合工学科コンピュータサイエンス講座知能システム工学講座情報工学科のカリキュラムの特長は、充実した実習・演習科目の存在です。講義で様々な理論や原理を学ぶことは重要ですが、この原理を活用できることがエンジニアとしての活躍には必須です。そこで、プログラミングやプロセッサ設計など実務に近い実習・演習を充実させて、応用力の養成にも力を注いでいます。実習、演習には大学院生がティーチングアシスタント(TA)として多数参加しており、TAからフレンドリーな指導とサポートが受けられます。応用力の身につく実習・演習の充実情報工学のコアとなる基礎・必修科目、他分野との境界領域に加え、コンピュータサイエンス、情報ネットワーク、知能システム、人間情報学の4つの教育分野科目を充実させることで、情報技術のトレンドであるクラウド、人工知能、モビリティ、ビッグデータ、ロボティクス、IoT、サイバーセキュリティなどの多様な分野で活躍できる情報系人材の育成を目指しています。特に新科目の、暗号と情報セキュリティ、計測工学、通信方式、組込システム設計を学ぶことで、IoTに対応できる知識を身につけることができます。多様な応用分野に対応したカリキュラム学びの特色情報工学実験 「マイコンによるロボット制御」 特色ある授業超伝導コンピュータと回路設計アルゴリズムSTRONG POINTS 〝情報工学コースのここに注目〞工学部 総合工学科/情報工学コース37

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