三重大学 2021大学案内
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農場実習では三重県の温暖な気候を活かし、作物、施設園芸、養液栽培、果樹(温帯果樹、亜熱帯果樹)、農業機械、農産加工、畜産におよぶ様々な内容を実習し、適期の管理や加工法の学理と技術を学びます。演習林実習では、雲出川源流域に広がる天然生林と人工林を活用し、森林資源の計測・保全・育成・有効利用に関する内容を実習し、森林の持つ流域の保全・防災など多面的機能な環境機能を学びます。私達が目にする植物とは、緑として感じる茎や葉の他に色とりどりの花や果実であることが一般的です。茎・葉・花・果実など、土壌表面より上に配置され、私達が目にすることのできる植物の部位全体を地上部と言います。そうです。地下部とは土壌表面より下に配置された主に根を指した言葉です。「花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根はみえねんだなあ(相田みつを作)」という詩にある通り、私達が植物の地下部を見たり感じたりする機会は多くありません。それだけに、私達の地下部に関する知識は限られています。一般的に、地下部は物理的に地上部を支え、養水分を吸収して地上部へ供給する器官であると理解されています。しかし、ある植物の地下部では、隣接する植物の地下部へ水を供給し、その生育を促進するような灌水能力の存在が確認されています。また、隣接する植物の地下部どうしが糸状菌の菌糸によって連絡し、菌糸を介して養分が授受される現象も観察されています。私達は、植物の地下部のように見たり感じたりすることが難しい動植物の性質を解明し、利用するための研究に取り組んでいます。関谷 信人 准教授 国際資源植物学研究室資源循環学科では、持続的な社会の基盤としての生物資源を環境に配慮した方法で循環的に利用するための、技術の開発や新しい社会のデザインをすることができる人材を育成することにより、調和のとれた循環型社会の構築に貢献することを目指しています。このため、生物の生命の仕組み、それらの生物を取り巻く環境、生物多様性についての学問を通して、生物資源の持続的利用に関する教育・研究を行います。|資源循環学科|Department of Sustainable Resource Sciences農業活動による食料生産は人々の営みに必要不可欠です。安全でおいしい食品の供給・地球環境の保護・生物資源の循環においても農業は重要な役割を担っています。この活動を一層安定的かつ、効率的に行うため、対象とする生物の生命現象について深く理解することが必要です。本コースでは、農学の知識に加えて、生物学の基礎理論を学ぶことで、食料問題の解決や緑豊かな環境を維持するための方策及び技術を身につけることができます。農業生物学教育コース森林は、地球環境や生態系の維持に加えて、再生可能なバイオマス資源としても重要です。さらに国土保全、水源かん養機能、木材生産、精神的な安らぎの付与を通して、人々の生活に貢献しています。本コースでは、多面的な機能をもつ森林の特性を学び、自然環境との調和を保ちながら、森林資源を持続的かつ高度に利用していくために必要な技術を身につけることができます。森林資源環境学教育コースグローバル化の進む国際社会では、なお一層、地域の自立と発展が求められており、国際的な視野から様々な地域の課題に取り組むことのできる人材の育成は急務です。本コースでは、農林水産業の実態と持続的な資源利用の仕組みを社会科学と自然科学の両面から学び、グローバルな視点から課題を捉え、解決への方法とプロセスを構想し、地域においてそれを実践する力を身につけることができます。グローカル資源利用学教育コース学びの特色フィールドサイエンスセンター農場・演習林実習「あなたの知らない「地下部」の世界」特色ある授業STRONG POINTS 〝資源循環学科のここに注目〞生物資源学部 資源循環学科40

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