三重大学 2021大学案内
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海洋生物資源学科では、海洋環境や海洋生物資源を取り巻く様々な問題に対して多面的な視野からの解決能力を有する人材を育成し、豊かな社会の実現に貢献することを目指しています。このため、海洋の沿岸域、沖合域、深海域をはじめ、湖沼や河川も含めた多様な環境とそこに生息する水生生物を対象として、その特性を理解し、多様性を保全しつつ、生物資源としての有効かつ持続的な利活用を行うための教育・研究を行います。調査・観測船に乗船するための知識を得ることを目的として、船内生活や船内諸設備の見学に始まり、気象観測、結索方法、航海機器の理解、航海当直、外洋航行、出入港作業、機関実習などの実習を行います。海洋観測や生物採集、漁労作業のような現場研究活動の第一歩となる実習であり、船という限られた空間での共同生活の中から、自分自身の役割を果たす責任感、集団のルールや協調性などが育まれます。私たち人間と体つきもすんでいる場所も全く異なるイルカたち。そんな彼らは哺乳類であり、コミュニケーションの基礎は私たち人間と共通する点がたくさんあります。イルカは行動以外に鳴音でもコミュニケーションをするのですが、1頭が音を出したら、だいたい1秒以内にそれ以外のイルカが答えます。もし返事がないと、不安になって自分でもう一度音を出します。これは、私たち人間がLINEなどでやりとりするのととってもよく似ています。イルカも人間もつながりを確認するために、コミュニケーションをしているのです。このように、イルカの音や行動、社会を調べることにより、私たち自身のこともよくわかってきます。「イルカを学び、ヒトを知る」というスタンスで研究を行っています。一方、何種かのイルカは様々な人間活動によって、様々な危機に直面しています。様々な技術を応用することで、このようなイルカを保全するための研究なども行っています。伊豆諸島御蔵島村にて撮影森阪 匡通 准教授 鯨類研究センター|海洋生物資源学科|Department of Marine Bioresources乗船実習(勢水丸)特色ある授業イルカを学び、ヒトを知る~イルカのコミュニケーションからわかること~STRONG POINTS 〝海洋生物資源学科のここに注目〞海洋生物資源学教育コース学びの特色プランクトンから魚類・鯨類までの様々な水生生物を対象にして、海洋における生物と環境との関係を理解し、遺伝子レベルから生態系レベルにわたる多様な視点から、海洋生物資源の保全と持続的有効利用法について総合的に学ぶことができます。プログラム ●水圏増殖学プログラム ●海洋生産学プログラム生物資源学部 海洋生物資源学科43

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