三重大学 生物資源学部・大学院 生物資源学研究科 学部案内2023
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рт DNA複製、転写、DNA損傷と修復、ゲノムの安定性、細胞分化、がん化、細胞死などの制御メカニズムにおけるクロマチン修飾の役割や、ビタミンとその関連化合物の生理作用などについて、生化学的、分子細胞生物学的手法を用いた基礎研究を行っている。 一方で、これらの研究によって得られた知見を、バイオサイエンス及びその関連の多岐にわたる分野に応用することも目指している。 本研究分野では、ゲノム解析や遺伝子・タンパク質の発現解析、タンパク質の構造と機能解析、タンパク質分子の構造安定性、微生物増殖に伴う発熱過程の測定といった分子生物学や生物物理化学的なアプローチとインフォマティクスを組み合わせることで、高次の生命現象を理解するための教育研究を行う。 さらに、環境、化学、エネルギー、医薬分野への産業応用を目指した教育研究を行う。 バクテリオファージの宿主認識や医薬品の皮膚透過機構を解析し、よりよい薬や機能性素材生み出すための基礎研究を行う。そのため、ファージや大腸菌、皮膚をタンパク質や糖鎖、反応する分子にまで細かく分けていき、それぞれの挙動を物理化学的に調べる手法に重点を置く。 また、医薬品を効率的に合成する反応の開発や、食品・飲料の美味しさを解明する応用研究も行う。 効果が大きく、副作用が小さい薬を創ることを目的として、薬剤分子の三次元的な「形」に着目した研究を行っている。具体的には、生物活性を示すペプチドを研究対象とし、薬剤分子の設計、有機合成、生物活性試験、三次元構造解析を行う。 この一連の過程により薬剤分子の「形」を最適化する研究を通じて、創薬に必要な有機化学、生物化学、分析化学、計算化学の専門知識・技術の教育を行う。 健康長寿、疾病予防、生物間あるいは生物中の情報を制御するなど生命活動を高度に維持することを目的とし、植物や昆虫等のあらゆる生物資源や食品を対象に、これらがもつ機能物質の分離分析による探索及び、機器分析による構造解析を行う。 また、機能発現機構や制御機構を生物有機化学的側面から解明する。このような、生命維持のための多様な機能成分の特定から応用を考えることも含めた教育研究を行う。 食品や農産物の構造・かたち・色彩・味・機能などといったマクロな生物情報に関して、分子・細胞・個体にいたる様々なレベルで解析し、生物情報を食料の生産、加工、流通に最大限に活用するための生物・食品化学工学的な基礎と応用について教育・研究を行う。また、様々なバンドの光計測技術を応用して実際の食品製造や農林水産業の現場における生物プロセスに関する問題に取り組むための専門的教育と研究を行う。 食品素材に含まれる化合物の構造・性質・利用・分析方法について教育研究する。また、食品成分の合成・分解・変換に関与する酵素の構造・機能・応用について教育研究する。特に、多糖(デンプンや食物繊維)やオリゴ糖などの糖質と、その関連酵素を主な研究対象とする。 また、有用な食品成分の効率的製造や新たな食品素材の創出を目指して、酵素や微生物を利用した物質変換方法の開発に取り組む。 有用微生物の生理機能を解析して産業に応用することを究極の目的としている。微生物分子遺伝学、応用微生物学、遺伝子工学、代謝工学、酵素化学を基盤とした研究を行っている。特に植物バイオマスからのバイオエネルギーの効率的生産に関する分子遺伝学的な研究に力を入れている。 また、糸状菌が生産する有用酵素遺伝子の発現制御機構を解明し、酵素の生産性を改良するための基礎研究を行っている。 食物に対する生体の応答を個体、組織、細胞、さらに分子や遺伝子レベルで明らかにすることを目的として研究している。具体的には、動植物・微生物から得られた未利用資源などから生体調節機能を有する成分を精製して構造解析を行い、健康の増進や生活習慣病の予防や改善に役立てる研究を行っている。 主なテーマは、食品の機能性に関する研究、食品(茶)成分による骨代謝調節、気管支喘息モデルマウスを用いた食品由来抗アレルギー成分に関する研究、核小体タンパク質の機能に関する研究などである。学科・研究室の教員紹介については、教職員紹介パンフレットを参照してください(P.2にQRコードがあります)■■■■■■■■■■■■■分子細胞生物学分子生物情報学生理活性化学■■■■■■■■■■■創薬化学生物機能化学生物制御生化学 本教育研究分野では、多様な生命現象を多種の分子の動的変化から構築されている分子システムとしてとらえ、その分子システムの成り立ち及び制御機構を有機化学的及び生化学的に研究し理解する。 次にそれらの構成要素である分子あるいは新規な分子を人為的に作成し、新しい機能を持たせる分子システムを構築する。さらに、得られた結果を創薬や医学等の生命科学に応用・実用化する。 このような観点から生命現象の理解及び生命現象の応用に関する教育・研究を実施する。食品生物情報工学微生物遺伝学食品化学栄養化学

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