三重大学 生物資源学部・大学院 生物資源学研究科 学部案内2023
7/28

х 成分が異なる様々な土壌に適応するために、植物がどのような適応戦略を利用しているのか、また土壌が自生する植物種をどの様に選び、独自の植生を形成するのかなど、土壌と植物の相互作用に関する研究を行っている。 現在は日本各地の博物館や植物園と協力し、植物標本を用いた野生植物の元素集積データベース構築を進めているほか、蛇紋岩土壌の植物をモデルとした研究を進めている。 木材は古来から利用されてきた私達の生活に密着した材料である。木材は中空の繊維からできているため、断熱性、調湿性にすぐれ、軽くて強度があり、環境に優しく、かつ光合成により永続的に再生産可能な理想的な材料でもある。 本研究室は、木材の特徴を生かして工学的に種々の変換を加えることにより、住宅などの構造材料や屋内外環境形成素材として有効に利用するための理論と技術について研究している。 農業、食料、貿易の環境や政策が変化する中で、今日の農業生産者は、費用削減、農産物の高付加価値化や差別化、新技術への対応など、競争力のさらなる強化が求められている。 本研究室では、経済学および計量経済学(統計学)、マーケティング・リサーチの分析枠組により、農産物や食品に対する消費者需要・行動の解明や、政策・プログラムの因果効果の解明を通じて、上記の問題に取り組み、エビデンスにもとづく政策提言を行うことを目指した教育研究活動を行っている。 海洋は人間にとって食料(=水産物)の供給を担うだけではなく、適正な環境を維持し、将来人間が豊かに生活していくためのさまざまな有益な役割を果たしている。 当研究分野は、こうした海洋の持つ人間にとっての多面的な価値を見直し、特に「安全・安心」に配慮した食料産業のあり方を水産物の生産・流通・消費システムを通して教育研究する。 甚大な被害をもたらす土砂災害の効果的な軽減手法、豪雨や地震、火山噴火、人工改変などによって破壊された森林環境の修復手法の構築を目指した調査研究を行う。 また、今後の都市・中山間地での人口変動や社会ニーズの変化などの予測をもとに、近未来の土砂災害の軽減手法を社会に提言することを目指す。 木材は二酸化炭素と水から光合成によって形成され、かつ、国内生産可能な「再生可能有機資源」であり、石油同様様々な製品を創りだしうる資源である。 当研究室は、木材構成成分の新規分離技術の開発、木質由来成型体の作成、医薬食品に応用可能な化合物の探索、及びそれら素材の分子構造解析などの研究に取り組んでおり、来るべき石油枯渇に本気で備えることを目標としている。 国際資源植物学は、日本を含めた世界のどこかで有用資源として栽培される植物について様々な視点から探究する学問である。食料、飼料、医薬品、工業用原材料、エネルギー等に利用される植物が対象となる。 私達は、そうした有用な植物を栽培する技術、特に様々な環境条件下で植物の生産量を増加させる技術、さらには最終産物の品質改善を促す技術を研究する。 森林・緑環境の機能評価を基礎に、森林生態系や生物多様性の保全に配慮した森林の取り扱い方法について研究している。 具体的には、「持続可能な森林経営」を目指して、植物の生き方(生理生態)や環境との関わり(環境応答)、森林管理の基準・指標作り、森林成長予測、住民参加型森林計画などの観点から研究している。 主に農業経営学、地域社会学の視点から、食料問題・農業問題・環境問題を考察している。生ゴミの堆肥化など食品リサイクルの推進、有機農業や環境保全型農業経営の確立、企業や個人による農業参入の促進、競争力ある農業経営の育成などの課題に取り組んでいる。 実際に国内外の農業経営や食品関連企業を訪ねたり、消費者の食に対する意識を調査したりするなど、現場に出て人と触れ合う機会が多い分野である。 国内や国外(主にモンゴル)において持続的な草地利用・家畜生産システムを確立するため、1)放牧草原を構成する牧草-動物-土壌の相互作用を含んだ生態システムの理解、2)草原や生物が有する多面的、生態的機能に関する研究、3)家畜(草食動物)や野生動物の飼料、栄養、健康性、行動、病気に関する研究等を行っている。■■■■■■■■■■■■■■■森林利用学 わが国の約70%が森林である。この広大な森林は、重要な資源であり、また生物の生息・生育域でもある。森林の持続的な利用と適切な管理を目指して、現地調査を行い、また数理モデル、リモートセンシング、GISなどを活用し、森林利用学、森林情報学的手法によって「木材生産作業の低コスト化」、「森林の広域的な分布・動態・機能の解明」などについて研究を行っている。土壌圏生物機能学木質資源工学生物資源経済学資源経済システム学森林環境砂防学木質分子素材制御学国際資源植物学緑環境計画学循環経営社会学国際資源利用学

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る