三重大学 2026 大学案内
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生物資源学部生物資源学科/農林環境科学コース生物資源学科43森林は、世界の陸地の30%をおおい、陸上の生物現存量の90%にも達する巨大な生物群集です。地球環境の維持に加えて、生物多様性保全、国土保全、水源かん養などの機能を持ち、その恵みである木材は再生可能で、建築材料、木質材料、バイオマス資源として重要です。森林科学専修では、森林生態系の自然環境や生物多様性を学び、地球温暖化の抑止や脱炭素社会を実現する森林資源の持続的な利用に必要な技術を身につけます。育種学・作物学・園芸学・畜産学・植物病理学・昆虫学・生態学といった生命農学への理解を深めつつ、経営学・経済学等の社会科学の視点から俯瞰することにより、生産から消費者までをつなげる流れ、すなわちフードシステムとして農学を学びます。これにより、食料問題の解決や緑豊かな環境を維持し、生物資源を利活用する方策や、技術、システムの評価手法を学び応用することを通じて、地域社会から世界へ貢献することを目指します。農場実習では三重県の温暖な気候を活かし、作物、施設園芸、養液栽培、果樹(温帯果樹、亜熱帯果樹)、農業機械、農産加工、畜産におよぶ様々な内容を実習し、適期の管理や加工法の学理と技術を学びます。演習林実習では、雲出川源流域に広がる天然生林と人工林を活用し、森林資源の計測・保全・育成・有効利用に関する内容を実習し、森林の持つ流域の保全・防災など多面的機能な環境機能を学びます。私達が目にする植物とは、緑として感じる茎や葉の他に色とりどりの花や果実であることが一般的です。茎・葉・花・果実など、土壌表面より上に配置され、私達が目にすることのできる植物の部位全体を地上部と言います。そうです。地下部とは土壌表面より下に配置された主に根を指した言葉です。「花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根はみえねんだなあ(相田みつを作)」という詩にある通り、私達が植物の地下部を見たり感じたりする機会は多くありません。それだけに、私達の地下部に関する知識は限られています。一般的に、地下部は物理的に地上部を支え、養水分を吸収して地上部へ供給する器官であると理解されています。しかし、ある植物の地下部では、隣接する植物の地下部へ水を供給し、その生育を促進するような灌水能力の存在が確認されています。また、隣接する植物の地下部どうしが糸状菌の菌糸によって連絡し、菌糸を介して養分が授受される現象も観察されています。私達は、植物の地下部のように見たり感じたりすることが難しい動植物の性質を解明し、利用するための研究に取り組んでいます。農業工学専修では、多様な生態系、地域社会、食料生産活動が共生する循環型社会の実現に向けて、農村空間や環境の保全修復、食料生産、資源循環、資源有効利用に関する先端技術の基礎理論を学びながら、それらをスマート化するために必要な技術を身につけます。特に、本専修のカリキュラムの特徴は、地域環境や生物生産現場を対象とした農村・農地・水資源の開発と保全、自然災害対応、システム開発、センシングを行う上で必要となる技術やスキルを実践的に身につけるところにあります。農学専修では、生命農学と社会科学の視点からフードシステムを理解し、食料問題の解決や豊かな環境維持の方策と技術を身につけます。森林科学専修では、森林生態系の自然環境や生物多様性を学び、地球温暖化の抑止や脱炭素社会を実現する森林資源の持続的な利用に必要な技術を身につけます。農業工学専修では、農村空間や環境の保全修復、食料生産、資源循環、資源有効利用に関わる基礎理論を学び、それらのスマート化に必要な技術を身につけます。特色ある授業農学専修フィールドサイエンスセンター農場・演習林実習森林科学専修あなたの知らない「地下部」の世界農業工学専修STRONG POINTS *生農林環境科学コースのここに注目*関谷 信人 教授 国際資源植物学研究室学びの特色 農林環境科学コース

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