2つの団体をそばで見守りながら思うこと55ピアサポーター学生委員会学生による教育推進・学生支援機構 学生支援・キャリアセンター障害学生支援部門講師 公認心理師・臨床心理士 風間 惇希私は普段、「障害学生支援部門(障害学生支援センター)」という部署で、障害や疾患等のある学生やそのご家族への支援を行ったり、学生がよりよい大学生活を送れるよう学内外の教職員・関係機関と連携して環境調整を行う役割を担っています。ピアサポーター学生委員会とACS学生委員会がともに活動拠点としている「ピアサポートルーム」は、私のいる部署のちょうど隣にあります。両団体には教員として参加し、そばで活動を見守っています。教員という立場で参加していますが、所属学生たちが主体的に様々な企画を計画・実行していくため、先生然として関わるよりも「隣人」「年上のメンバー」のようなスタンスを意識しながら、活躍する学生たちをそばで支えています。彼(女)らは、「目の前の相手をサポートする」という私のような公認心理師・臨床心理士とも共通する志向性のもと、日々活動を行っています。その中で培われるコミュニケーション力や相手を思いやる力、考える・感じる・行動する力、そして数えきれないほどの経験や思い出は、学生が社会に出ていく際の貴重な財産になるのだろうなぁと思いながら日々見守っています。ピアサポーター学生委員会は、学生目線で学生のサポートを行う団体です。「ピア(peer)」は「仲間」を意味しており、ピアサポーター学生委員会では、同じ三重大学に通う学生の大学生活をより充実させるべく活動しています。新入生の履修や大学生活について相談を受けつける「なんでも相談」、新入生に大学の敷地を案内する「おさんぽ企画」、たこ焼きを食べながら会話を楽しむ「たこ焼きパーティー」などの大学内を対象とした活動だけでなく、他大学で同様にピアサポート活動を行っている団体との交流なども行っています。ACS学生委員会(障害に関する学生委員会)は、障害に関する様々な活動を行っている団体です。最近は、障害というテーマにとらわれることなく、生活上の困りごとや苦手さを支える活動にも力を入れています。これまで、三重大にいる人が自由に書き込めるノート「お便りノート」の運営や、新聞「ACSのねえ知ってる?」の発行、カフェサークルとコラボした「手話・筆談カフェ」の開催、他大学との交流等、様々な活動を行ってきました。他にも、手話の勉強会、七夕やクリスマス等の季節の行事に合わせた企画行事等、楽しく活動しています。CPS(キャリア・ピアサポート)学生委員会は、2023年春から活動を開始した新たな学生委員会で、学生による学生のための「キャリア」に特化した支援活動を行う団体です。グループディスカッションを行うイベントや、民間企業に就職した卒業生に対するアンケート調査、学生生活に関する相談会などの企画を考え実施しています。今後も、職業選択にとどまらない「人生そのもの」としてのキャリアを考える企画を計画し、学生ならではの支援活動に励んでいきます。三重大学では、教職員による学生支援はもちろんのこと、学生のキャリア教育の一環として、学生が主体となって同じ三重大学の学生を支援する取り組みを行っています。教職員が学生に対して行う支援とは異なり、同じ学生という目線だからこそできる協力、支援の形がそこにはあります。支援にあたる学生それぞれが目的意識を持っており、様々な活動や経験を通じて、自分だけでなく三重大学に通う学生一人ひとりの学生生活が充実したものになることを目指しています。学生による学生支援の幅は、新入生や大学生活に慣れてきた2・3年生、就職活動を控えた4年生、心身に障害を抱える学生など多岐に渡っており、それぞれの活動内容について関心のある学生が諸活動にあたっています。キャリア教育に関心を持った学生や、支援を受けた経験から支援を行う立場に関心を持った学生が集い、三重大学の学生による学生支援活動の輪は、脈々と受け継がれています。CAMPUS LIFECAMPUS LIFE キャンパスライフCAMPUS LIFEACS学生委員会CPS学生委員会学 生 支 援 活 動
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