室蘭工業大学 大学院 ドクターコースへの道
6/8

夢中になれるもの仕事の内容と魅力仕事と家庭・生活のバランス進路決定のきっかけ塚野  徹株式会社IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 技術開発センター 宇宙技術グループ※掲載中の勤務先・職名は取材当時のものです。・室蘭工業大学工学部機械システム工学科卒業・室蘭工業大学大学院工学研究科博士前期課程航空宇宙システム工学専攻修了・室蘭工業大学大学院工学研究科博士後期課程航空宇宙システム工学専攻修了テーマProle後輩へのメッセージ5 私の業務はロケットエンジンに燃料及び酸化剤を供給するターボポンプの設計です。ターボポンプは大流量の極低温流体を必要な圧力まで昇圧するエンジンにとって重要な役割を持ちます。現在、再使用や広い作動範囲での作動を念頭に置いた設計・開発を進めており、これまでの使い捨てロケットに使用するターボポンプとは発想や設計手法を変える必要があるため、過去の実績外のことが多く非常に難しい仕事です。また、これまでは一機種ごとの開発であったのが、現在では複数機種の同時開発という大変な状況にあります。しかし、自分の関わったものが宇宙へと打ち上がるということをモチベーションに日々邁進しています。 私が現在の会社に入社した直接的なきっかけは、自身の所属部署で人員の募集があったことと博士後期課程の時の指導教員が会社のOBであったことという二つの偶然でした。この偶然により、色々な話を聞くことができ、自分がどういう技術者になりたいかなどをより具体的に考えることができたということが進路決定の大きな割合を占めたと思います。今思い返すと航空・宇宙の中から宇宙を選んだこと、宇宙工学の中で推進系を選んだこと、就職と進学で進学を選んだこと、いくつかの選択するタイミングでどれが一番面白そうかを選択していった結果の積み重ねだと思います。 会社に入るとこれまでやってきた研究内容をそのまま業務としてできるわけではなく、新しいことにチャレンジする場面が多々あります。大学院、特に博士後期課程では、自身の専門分野の知識を深めることはもちろんですが、研究を通して問題設定と課題解決の手法という普遍的な考え方を習得したことが一番役に立っています。これを読んでいる皆さんも研究から論理的思考などの一般に適用できる考え方を自身に落とし込み、新しいことにチャレンジしていってもらいたいと思います。 開発系の業務に従事しているため仕事自体は忙しく、稀に休日も出勤することがあったり、1ヶ月ほどの長期出張があったりしますが、基本的に土日は休みです。入社してから結婚し、公私共に充実していると思います。休日は平日の疲れを癒すためにゆっくり休み、家事をしたりし、長期休みには妻と二人で旅行に行くことが多いです。仕事が大変な分、しっかり休むことが大事だと考え、ON/OFFを切り替えるように生活をしています。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る