室蘭工業大学 2021
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16生物の進化を活用した進化計算で高性能モーター開発に挑む 今後、電気自動車の普及などに伴い、モーターにはさらなる小型化・高出力化・低騒音化・高効率化が求められるようになります。私たちは、モーターの開発に、生物の進化を模した「遺伝的アルゴリズム」や、生体内の免疫反応を模した「免疫型アルゴリズム」を活用することで、より効率的に高性能モーターを開発する研究をしています。形状や性質の異なる膨大な数のモーターをシミュレーションし、生物の進化のように良い性能の個体を次世代に残し、悪い個体を淘汰することでより優秀なモーターが開発できます。 従来の開発方法では設計者が経験をもとに設計していましたが、コンピュータ上で自動的に最適な形状を見出す手法(トポロジー最適化)によって、人間が思いつかないような画期的な形状を発見できる可能性もあります。これらの進化計算には膨大な計算が必要なため、性能を評価するのに必要な電磁界解析の計算手法の高速化にも取り組んでいます。 街全体から「ものづくり」の熱意が伝わるここ室蘭から、電気自動車やロボットで活躍する「高性能モーター」を生み出したいです。創造工学科 電気電子工学コース・電気系コース渡邊浩太 教授物理現象を活用してロボットを制御する ロボットなど、自分の動かしたいものを自由に操る制御理論を研究しています。ロボットなどを制御するのは難しいですが、実は身近にある「物理現象」をうまく利用することで、簡単に制御できるようになります。 これまでの制御理論は、制御対象に無理矢理に力を入れて動かすことが一般的でした。私が目指しているのは物理現象や制御対象が元々持っている性質(振動のしやすさ、動きやすさ)を活用した制御理論です。活用している物理現象の一つが「周波数引き込み現象」です。「周波数引き込み現象」は、2つの振子時計を壁にかけておくと、始めはバラバラに振動していても、いつの間にか振れ方がぴったりと同期してしまうという現象です。例えば、ロボットの動きと「バネ」の振動を、この「引き込み現象」を活用して同調させることで、ロボットを効率よく動かすことができるようになります。 将来的には、アリの群れのように複数のロボットが互いの距離を保ちながら一緒に動き、仕事をするなどにも応用できると考えています。一台では小さな力であっても、沢山のロボットを協調させて動かすと、大きな仕事も可能になります。是非とも私たち教員の経験や知識と、学生さんの新しい柔軟な考えや知識を組み合わせて、ロボットを開発していきたいです。創造工学科 電気電子工学コース・電気系コース梶原秀一 准教授生物の進化を活用した進化計算で高性能モーター開発に挑む

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