18今、求められる女性技術者 建設コンサルタントとして、地震、津波、風水害、火山災害などの様々な災害に対して、地域の防災力を強化する支援をする業務をしています。具体的には、行政が大規模災害時に的確かつ円滑に対応できるように防災計画の作成や更新をしています。最近よく耳にする「タイムライン」や「ハザードマップ」も作成します。また、実際の災害を想定した防災訓練、シンポジウムの計画・運営、小学校の防災教育の支援として教材作成や授業計画なども行なっています。 私は小学生の時に受けた環境問題の授業がきっかけで、環境に関する仕事に就きたいと思うようになりました。高校生の時には東日本大震災が起こったことで特に災害や防災にも興味を持ちました。 室工大は各学科の専門性が高く、建築学科では同時に建築から土木までを幅広く選択できるところに魅力を感じました。 大学では「持続都市・交通学研究室」に所属して災害時の避難行動について学びました。住民にアンケート調査をしたり、GPS を用いて防災・減災意識と避難行動の関係性を研究しました。災害対応に関わる行政の方の話を聞いたり、施工中の現場を見学したり、現場に触れられる機会が多く、貴重な経験ができました。学んだことが、今の仕事に活きています。高校生の時に「なりたい職業」や「やりたい仕事」が明確になっている方は少ないと思いますが、室工大は各学科の専門性が高く、建築学科では同時に幅広い分野を勉強できる恵まれた環境があります。目標が明確な方はもちろん、具体的な目標がない方も学びの中で目標を見つけていって欲しいなと思います。今、工学系でも多くの女性技術者が活躍しています。就職活動でも女性技術者が求められていることを強く感じました。女性ならではの「技術的目線」や、きっちりと業務をする姿勢が評価されています。 また、室工大は新しい女子寮があったり、女子が安心して楽しく過ごせる環境があります。私自身も女子寮に入居して楽しい寮生活を送りました。学年を越えた繋がりも強く、仲が良かったです。就職活動でも、女性ならではの「技術的目線」や、きっちりと業務をする姿勢から、女性技術者が求められていることを強く感じました。日本工営株式会社 出村麻弥さん2016年 建築社会基盤系学科 土木工学コース卒業3万人を超える卒業生が味方 電力会社で電気をお客さまに届ける「送配電部門」の経営支援を担当しています。具体的には送配電部門の収益や費用を省令に基づき計算する業務で、現在の経営状況を把握して社内外への情報公開等をします。 現代の生活には電気は必要不可欠ですので、「みなさんの日常」を守るために働いていることに責任感と魅力を感じています。大企業ですので、所属変更になれば業務内容が大きく変わることもありますが、常に初心で「一から学ぶ姿勢」を大切にしています。 私は元々、エネルギー分野に興味がありました。室工大を選んだのもエネルギー産業について、質の高い専門教育を受けられるからです。また、室蘭地域では地域住民との交流機会も多く、自身の視野を広げることができると考えたからです。キャンパス周辺に学生生活に必要な施設が充実していたことも魅力でした。大学時代は、授業や研究以外にも、友人と試験対策を頑張ったことや、学科の同級生全員でキャンパスの中庭でBBQをしたことなど、たくさんの思い出ができました。室工大では学業はもちろんですが、それ以外にもたくさんの学びと経験ができます。室工大での経験は、社会に出てからも大きな支えになります。 また、室工大には長い歴史があり、30,000人を超える卒業生が幅広い分野・地域で活躍していますので、しっかりと実力をつければ就職には強いと思います。今、女性技術者は増えつつありますがまだまだ少ないです。私も後輩の良い目標となれるように頑張っていきたいと思います。北海道電力株式会社 田中千恵さん2009年 電気電子工学科卒業 学校などの公共建築や、大規模再開発プロジェクトまで、様々な建築設計をしています。現地の条件や関連法規などの制約の中で、クライアントの想いをカタチにするためにスケッチ、模型、CGを使って、イメージを膨らませながら具体的に設計図に落とし込んでいく仕事です。建築は建物をデザインするかっこいい仕事に見えるかもしれませんが、実際の業務は様々な条件や制約を考慮しながら「デザインの最適解」を探っていく地道な作業です。 大変ですが、自分が設計したものが実際に建ち、みんながイキイキと使っている光景を見る時は嬉しいです。完成直前には「このまま完成しないで欲しい」と思ってしまうことさえあります。それは、自分がずっと育ててきたものが、離れてしまう寂しさのようなものです。設計したものは「我が子」のような感覚になってしまいます。 幼い頃から家具やインテリアが好きで、高校2年には工学部や建築科で学んで建築家になろうと決めていました。 室工大は多くの学生が大学周辺に住んでおり、街全体が「学生寮」のような雰囲気です。その環境を活用して、仲間と共に濃密な時間を過ごしました。建築は一人ではできません。大学時代にチームワークの大切さと楽しさを学ぶことができたのも良かったです。 室工大で過ごした時間はとにかく「濃密」で、いつも仲間と一緒に建築について考えたり、議論をしていました。自分の好きな建築をやり続けて、それがそのまま仕事になったというのは幸せです。室工大で過ごした時間は「自分のベース」になっていますし、これからもずっと「自分のベース」であり続けると思います。室工大はいつまでも「自分のベース」株式会社北海道日建設計 濱口芳郎さん2007年 建設システム工学専攻修了
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