室蘭工業大学 大学案内2022
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23『強相関』とは、物質中の電子や粒子などが強く相互作用している系のことです。強相関状態の代表的な現象に超伝導や重い電子状態、巨大磁気抵抗などがあります。これらの現象は、エネルギーまたはエレクトロニクス材料に革命をもたらすことが期待されています。当研究室では、オンリーワンの研究を目指すために、物質を構成する原子がランダムな構造を持つアモルファス合金に注目し、世界的にもほとんど研究例がない『強相関アモルファス合金』の物質開発を行っています。強相関アモルファス合金で実現する超伝導現象や重い電子状態を明らかにし、次世代のエネルギー、エレクトロニクス材料の開発を目指しています。(雨海有佑 准教授)強相関アモルファス合金の開発と物性解明 ~世界が驚く未知の合金を作る~2011年の東日本大震災以来、産学官が一体となって耐災害という課題に取り組んでいます。耐災害分野へのICTの活用が期待されていますが、既存のICTはデータ管理と情報伝達のための利用がメインで、十分にその恩恵を活かしきれていません。そこで最先端のAI技術や通信技術を適用し、より実用的な耐災害システムの研究開発を目指しています。具体的には、災害発生後、センサやカメラなどから収集した多種多様なデータを分析し、被害状況の正確な把握や救助などの迅速な判断を行います。また、ネットワークインフラの損傷などに影響されずにタスクを実行することで、AIによる計算結果を元にロボットやドローンなどの自動制御が可能になります。(董冕雄 教授)最先端の技術を用いた、 より実用的な耐災害システムの研究開発私達の体の中では正常な蛋白質がお互いに協調することで生命活動が営まれていますが、これらの蛋白質が変性し異常な集合体を形成することで病気の原因となる場合があります。例えば、アルツハイマー型認知症の発症にはアミロイドβやタウ、レビ小体型認知症の発症にはαシヌクレインと呼ばれる蛋白質の異常集合が関与しているといわれています。私達はこれらの蛋白質をナノメートルサイズの蛍光物質を用いて可視化し、異常集合を抑制する物質を微量かつ効率的に探索する評価システムの開発に成功しました。現在この手法を用い、アイヌ伝承有用植物や海藻類などの北海道産天然資源から、認知症の予防や治療に有用な物質の探索に取り組んでいます。(徳樂清孝 准教授)北海道産天然物質からの抗認知症物質の探索3年次 〜 4年次知識の本質的な理解とともに、問題解決能力を養う卒業研究それぞれの分野において設定された課題に対して、これまでに修得した知識を活用して解決に取り組むことで、知識の本質的な理解とともに問題解決能力を養います。化学生物システムコース物理物質システムコース数理情報システムコースPickup ! 研究Pickup ! 研究Pickup ! 研究

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