室蘭工業大学 大学案内2022
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26皮膚に当たって跳ね返ってきた反射光には様々な情報が含まれています。その情報を解析することで肌の状態や酸素代謝、血流の状態を調べることが可能です。こうした情報を読み取るための計測、解析方法の研究を行っています。具体的には光技術や画像技術、シミュレーション技術を用いて触らずに生体皮膚の計測ができるような手法を開発し、インターネット環境を利用してどこでも計測が行えるようなシステムの構築を目的としています。これまでヒト皮膚の特性に似たシリコンモデルや皮膚内での光の動きを再現した数値シミュレーション技術の開発、これらを用いた皮膚の光特性データベースの作成を行ってきました。この研究を進めることで、「自宅で肌の画像を撮影してインターネットで送信して医療機関で診断を行う」といったオンライン診察が可能になり、医師不足や高齢化が進む社会では非常に重要な研究と考えています。研究は「どうすれば結果が得られるか」を考える計画性や「結果から読み取れることは何か」を考える考察する力が必要です。室工大には親切な教授が多く,疑問点を一緒に考えてくれるので、こうした力を養うことができる環境です。生産システム工学系専攻 ロボティクスコース 竹田駿介さん光で病気を発見 ! -様々な光を使った生体皮膚計測-近年、地球温暖化などの影響により、様々な「クリーンエネルギー」への需要が高まっています。クリーンエネルギーのひとつに熱電発電というものがあり、その発電に用いられているのが「熱電変換材料」です。熱電発電は温度差のみで発電することができるとてもクリーンな発電方法です。私はこの熱電発電の効率を高めるために日々試行錯誤を繰り返しています。この性能が向上すると、温度差によってより多くの電気を生み出すことができ、人々の生活に役立ちます。現在、熱電変換材料は身近の様々なところで使用されています。小型の冷蔵庫や腕時計などで、皆さんも一度は見かけたことがあるかもしれません。これらでは、例えば停電などが起きた時にでも、温度差だけで稼働し続けることができます。発電効率が向上されると「次世代のエネルギー」として人々の生活を支えることが可能です!大学院は、学部の時よりも研究活動に多くの時間を割けるため、社会に出てから必要不可欠な「計画・実行・評価・改善」に対応できる力を自然と身につけることができると思います。また、室工大の大学院には親切な先生が多く、関心が高い人にとっては専門知識を身につけ、楽しく研究することができる環境が揃っています。情報電子工学系専攻 電子デバイス計測コース 星野愛さん温度差だけで発電! -電変換材料の開発-2020年、急速に拡大した新型コロナウイルス感染症により、日本では感染予防と経済対策の両立を目指して「GoToキャンペーン」などの様々な対策が行われ、これらは人々の移動に様々な変化をもたらしました。私の研究では、携帯電話の位置情報を用いて「人がいつ、どこに、どれくらいいるのか」を調査して分析しています。あるエリアに滞在している人口を、いろいろな側面から分析することで、例えば、北海道のあるエリアで道外居住者の人口が多くなった場合には「道外からの観光客が平常時と比べ、どのくらい増えているか」などがわかります。「人口」という観点から、昨今の人口動態を把握して取りまとめることができます。この研究から「緊急事態宣言」の期間や、「GoToキャンペーン」の期間の人口動態を把握でき、「新しい生活様式」における、人々の移動を定量的に評価できるようになります。今後も多くの人に有益な情報を提供できるよう、研究結果を発信していきたいです。環境創生工学系専攻  公共システム工学コース 石川玲衣さんこの瞬間の人口分布がわかる !-新型コロナウイルス感染症禍における人口分布統計を用いた行動変容の把握-

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