室蘭工業大学 大学案内2022
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3わたしたちが提案するわたしたちが提案する北海道北海道のためののためのMONOづくりMONOづくり2020-2020-20602060視 点1エネルギーの視点エネルギーの視点■ 2060年はエネルギーの制約を認識した社会「原油生産のピークは2030年代と予測されている。そして、2060年代に至ると化石燃料の資源制約が極めて強く認識された社会となる。」(丹保憲仁:大変革の21世紀近代の終焉から後(脱)近代への発進、公益財団法人はまなす財団、2018年3月)■ 再生可能なエネルギーを使う社会エネルギー源が化石燃料から、水力、風力、太陽光・熱やバイオマス、地熱等になっていると、私たちは考えています。■ エネルギーをうまく使う社会3Dプリンターの普及により、消費地の近くで「もの」が簡単に生産されることになり、「もの」を運ぶためのエネルギーがほとんど不要な社会になります。また、情報技術との連携により、エネルギー効率が向上しています。現在でもガスを用いてまず電気を作り、そのあとの残ったエネルギーは電気は作れないが温水なら作れるので、給湯に用いる仕組みがあります。このように、エネルギーの質を考えた、賢いエネルギー利用や、質の悪いエネルギーをうまく使うことができるような社会になります。■ エネルギーをうまく貯め、うまく配る社会「今、どこで、どんな質のエネルギーが必要か」をセンサーが捉え、必要な量と質のエネルギーが配られる世界になっています。そして、この仕組みの中には、高効率・高容量の蓄電池のようなエネルギーの貯蔵システムも利用されています。■ データ消費とエネルギー消費が同価値化した社会「情報技術と強く結びついたエネルギー技術が人類活動を支えています。データを利用して、エネルギー消費を減らしています。この意味で、私たちは「データ消費とエネルギー消費は同じ価値を持った社会」と呼びます。■ 資源を消費しない「MONO」の長寿命化が実現した社会エネルギーの制約により、地球規模での大量輸送は現実的ではない社会となり、なるべく資源を消費しない社会になっていると、私たちは考えます。すなわち、社会で使用するインフラや個人が使用する多様な 「MONO」の超長寿命化と徹底した高効率の循環利用が進んでいるということができます。■ ストック系素材を大事に使う社会私たちは現在、ストック系の素材をさまざまな用途に利用しています。このストック系素材は産地が限られていることが特徴で、2060年には遠くから運んでくることがエネルギー制約から難しくなります。そのため、まずは超長寿命化が図られ、長く大事に使う社会になっています。そして、寿命を迎えたものは、破壊・再生され、北海道というような小さな領域内での循環利用が行われていると考えています。分子や原子レベルまでの破壊・再生方法が実用化されています。本当に高い価値を持つ素材のみが広く世界に流通します。■ フロー系素材(大気中の二酸化炭素を原料として光合成により作られる有機系炭素化合物)をものづくりの基本にした社会現在私たちが使用しているプラスチックのような石油化学製品は、石油資源が乏しくなるので生産が難しくなります。そのかわりに、光合成によって作られた有機系炭素化合物は多様な分子化学構造を有しており、この化学構造をうまく利用して、多様な素材が生産される社会になっています。視 点2環境・資源管理の視点技術屋が描く2060年の世界

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