室蘭工業大学 大学案内2023
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超音波を利用して極限状態の中でも火を自在にコントロールする研究をしています。人の耳で聞こえる音よりも周波数の高い■超音波■を火に向けると火が曲がるなど、思い通りに火を変化させられることがわかりました。この方法を用いて、少ない燃料で動くエンジンの開発や、新たな火の消火抑制方法などの研究を行っています。 昨今、航空機やロケットなどのエンジンにも■省エネ■が求められており、超音波の力で火を操ることで、少ない燃料で無駄なく燃料を燃やすことができれば、現在の半分ほどの燃料でエンジンを運転することも可能になります。また、宇宙空間や病院の手術室などの医療現場、原子力発電所などの消火に水を使うことができない環境では、火災が起きてもすぐに消火できません。そのような環境でも事前に蓄電した装置から超音波を発生させて、■音の力■で火を抑え込むことができれば、大規模火災を未然に防ぐことができるようになります。航空宇宙関連の研究は、どの分野も人々の生活を改善する最先端技術に直結しています。あなたのアイデアが世界を変える可能性を秘めているのです。創造工学科 電気電子工学コース・ 夜間主コース 電気系コース 渡邊浩太 教授今後、電気自動車の普及などに伴い、モーターにはさらなる小型化・高出力化・低騒音化・高効率化が求められるようになります。私たちは、モーターの開発に、生物の進化を模した■遺伝的アルゴリズム■や、生体内の免疫反応を模した■免疫型アルゴリズム■を活用することで、より効率的に高性能モーターを開発する研究をしています。形状や性質の異なる膨大な数のモーターをシミュレーションし、生物の進化のように良い性能の個体を次世代に残し、悪い個体を淘汰することでより優秀なモーターが開発できます。従来の開発方法では設計者が経験をもとに設計していましたが、コンピュータ上で自動的に最適な形状を見出す手法(トポロジー最適化)によって、人間が思いつかないような画期的な形状を発見できる可能性もあります。これらの進化計算には膨大な計算が必要なため、性能を評価するのに必要な電磁界解析の計算手法の高速化にも取り組んでいます。街全体から■ものづくり■の熱意が伝わるここ室蘭から、電気自動車やロボットで活躍する■高性能モーター■を生み出したいです。画像: 超音波を利用して炎をコントロール超音波で炎を自在にあやつる創造工学科 航空宇宙工学コース 廣田光智 准教授生物の進化を活用した進化計算で高性能モーターの開発に挑む航空宇宙工学コース電気電子工学コース8

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