室蘭工業大学 大学院 ドクターコースへの道
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後輩へのメッセージ 私の現在の業務は、冬期に施工を行うコンクリート工事の負担軽減や作業の効率化を目的としたコンクリート用混和剤の指針の改定。ならびに、カメラの写真からコンクリートの3次元モデルを作製することで劣化状態をモデル化・定量化的し、目視による評価との関連性を調査する研究を行っています。 私が所属している寒地土木研究所では、国が実施する関連行政施策の立案や技術基準の策定等に反映できる成果を目指し研究を行っている機関であり、北海道開発局と連携しながら寒地土木技術の発展と安全安心の確保に寄与しています。そのため、現場の問題点を解決するための研究に特化しており、研究成果が北海道に貢献できる職場です。 博士前期課程1年目の春から夏の頃に教授からお誘いを受けたこと、加えて社会人ドクターの方が難儀しているのを見ていたこともあり、研究所への就職を漠然と考えていた私は「どうせ取るなら社会人になってから博士号を取るよりもこのままの取った方が楽なのでは?」と考え、他にもいろいろと思うところがあり後期課程への進学を決めました。 大変だったのは親の説得とお金の工面です。修士課程に行くときでさえ頭に?マークが浮かんでいた親を、さらに3年勉強するから大学生続けますと言った時には金銭面の問題もあり罵倒されたことを覚えています。ですが、なんとか説得して親のすねをかじり奨学金をさらに借りることで進学を決めました。 就職先の希望がある方はその職業に対して博士号取得が必須であるならば言うに及ばずですが、プラスになると判断できたのであれば進学も選択肢に入れてみましょう。 博士号を取得してからの就職先が不安な方は、人脈の多い指導教員であるならばその不安の3割は軽減できると思います。それが何故かは言いません。 ドクターコース修了後に就きたい職業に就職できるかどうかは運とタイミング次第なのでわかりません。 選択肢が生じたときに数年後までを考えて選んだのであれば心配する必要は無いでしょう。納得できる選択となるかどうかはその後の自分次第です。 寒地土木研究所での研究活動は大学とは異なり研究を行う時間に制限があるため、大学時より仕事とプライベートが分かれていました。しかし、最近ではリモートアクセスによる在宅勤務を行えるようになり公私の時間が曖昧になっています。そのため、モチベーションのコントロールが重要だと感じます。 仕事と家庭・生活のバランスを考えたことはありません。ただし、1日の始まりと終わりだけはきっちりと決め、平日も休日も変わらず同じタイムスケジュールで生活する様にしています。・室蘭工業大学工学部建築社会基盤系学科建築学コース卒業・室蘭工業大学大学院工学研究科博士前期課程環境創生工学系専攻 環境建築学コース修了・室蘭工業大学大学院工学研究科博士後期課程工学専攻先端環境創生工学コース修了長谷川 諒国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所 耐寒材料チーム 研究員※掲載中の勤務先・職名は取材当時のものです。4Profile仕事の内容と魅力進路決定のきっかけテーマ先を見据えた熟考・根回し、最後は運仕事と家庭・生活のバランス

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