長岡技術科学大学 2023 統合報告書
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14遠隔操作ロボットシステム コロナ禍においても、「対面」での作業に依存してきたものづくりの現場におけるテレワークの促進と、後継者育成のため職人技を遠隔でも伝承可能とするシステムの整備、及びこれらに不可欠となる遠隔操作ロボット技術を基幹としたDXものづくりの実現に向けた研究開発が急務とされています。本システムは、ロボットとAI、センサーを融合した、DXものづくりシステムに関する質の高い教育研究を実現するための設備です。本システムは、言うなれば五感を備えたロボッ 「アジャイル」には“素早い”という意味があり、アジャイル開発は「計画→設計→実装→テスト」といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返すことが最大の特徴です。ものづくり及びその製品の周辺サービスに関するスタートアップの創生に貢献するためのセンターとして、令和5年度から組織整備を行います。ち上がりつつありますが、わが国では未だ例がありません。そこで本学では、様々な部品を迅速に作製するためのものづくりシステムとして、本実証システムを整備します。特に、3Dプリンターのようなパーツ製造に加え、近年急速に技術が進化している多様な電気回路製造や加工を迅速に行うことのできる設備を導入することで、小型モビリティを例にとってテンポラリーエンジニアリングの概念実証を実施します。トにより、ものづくりプロセス時に取得可能な全てのデータをログにとることで品質保証を実現し、このビッグデータをAI解析し、マルチモーダルAIとして活用することでプロセス改善を実現するものです。ものづくりビッグデータのアーカイブ化と共有・遠隔利用を行うことで、遠隔・非接触の人材育成・企業人のリカレント教育への貢献、遠隔で修業し職人技・匠の技能をリモートで承継可能とするシステムの実現を目指しています。テンポラリーエンジニアリング実証システム 「テンポラリーエンジニアリング」のコンセプトの実証は、DXアジャイルものづくり研究開発センターの目的の一つです。経済安全保障やサプライチェーンの問題によって、一部のパーツが無いために、製品全体の納期が遅れる問題が増大しています。「テンポラリーエンジニアリング」とは、一時的な仮しのぎの部品を作ることで、これを解決しようとするものです。このような考え方は、米国では3Dプリンターで立DXアジャイルものづくり研究開発センターロボット・AI・遠隔制御融合型DXものづくりシステム

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