長岡技術科学大学 2024 統合報告書
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16 新潟県はコメ産出額・輸出額ともに全国1位の“コメどころ”として広く知られていますが、現在、コメの価格下落、農業関連資材の価格高騰、農業従事者の高齢化・後継者不足など、“コメどころ”新潟は厳しい現実に直面しており、衰退の危機が迫っています。 こうした新潟の農業の課題解決に、技術科学の力で貢献するため、本学が令和4年10月に採択された、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」“コメどころ”新潟 地域共創による資源完全循環型バイオコミュニティ拠点では、2つのターゲットを設定し、研究開発を推進しています。ターゲット ❶ 有機栽培米(無農薬、有機堆肥使用)は慣行栽培米と比較して高値で取引される一方で、経験やノウハウに頼る部分が多く、また価格に対して費用や手間が想像以上にかかるため移動・参入障壁が高く、普及していません。学術的なエビデンスを基にしたよる化学肥料の削減(持続可能な土づくり)、ロボティクスを駆使した有機栽培の労力削減による移動・参入障壁の低減を目指し、新潟の“コメづくり”を成長産業へ発展させていきます。持続可能な“コメづくり”未利用資源を活用した“次世代食料づくり”儲かる農業若者に魅力的な農業水稲ビックデータ田んぼロボティクス微生物堆肥有機堆肥農業産業間の共創新産業創出微生物発酵高付加価値化未利用バイオマス食用油機能性食品凝集剤微生物発酵嗜好性餌陸上養殖農業・農家持続可能な“コメづくり”関連産業Target-2未利用資源を活用した“次世代食料づくり”ターゲット ❷ 農家の減少はコメ関連産業(米価産業、醸造産業等)の衰退に直結し、その逆も然りです。そのため、“コメどころ”を将来に引き継ぐには、コメ関連産業の活性化も重要な要素です。コメ加工の過程で発生する洗米排水やもみ殻など、従来廃棄されていた未利用バイオ資源を活用した新たな産業・雇用を創出するとともに、年間を通して安定的に生産可能な次世代食料づくりに貢献していきます。して「コメどころ新潟を将来に」引き継ぎ、田園が生み出す「食料づくり」の社会、「若者が住み続けられる社会」を実現する』というビジョンを掲げ、県内外の50を超える参画機関と共有しながら、研究開発を進めていくほか、イベントやセミナー等を通じた地域との対話を大切にして、地域の課題に貢献していきます。共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)“コメどころ"新潟地域共創による資源完全循環型バイオコミュニティ拠点拠点ビジョン(未来のありたい社会像)関連工場次世代食料冬場の雇用田んぼの地カラで新潟の農業を笑顔にする〜世界最先端の技術で、儲かる、伸びる、続けられる農業へ〜消費者 本拠点では、地域の深刻な課題を解決するために、 『豊かな資源と技術を活用Target-1微生物堆肥(有機堆肥)の開発と有機堆肥の普及にものづくり地方都市の持続的発展に向けた社会貢献“コメどころ”新潟の課題を技術科学の力で解決

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