長岡技術科学大学 大学案内 2025
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clE0()123123noitareneGytiegarotSirtceH2 +LNG量子・原子力統合工学近年、日本のエネルギー自給率は10%程度で推移しています。また、電気料金やガソリン価格の高騰など、私たちの生活とは切っても切れないエネルギー問題について、あらためて考えさせられる機会が増えてきました。当研究室では、変動性再生可能エネルギーを最大限活用するカーボンニュートラル社会を想定して、太陽光・風力発電などと協働する小型原子力システムの基礎研究に取り組んでいます。エネルギー安定供給と二酸化炭素排出削減を達成するエネルギーミックスを実現させるため、原子炉にはベースロード電源としての従来の役割に加えて(図1)、負荷追従電源としての新たな役割も必要です。原子炉には固有の反応度フィードバック特性が備わっているため、これを活かした原子炉の自律的負荷追運転法を研究しています(図2)。当研究室はバックエンド分野でも二つの課題に取り組んでいます。一つ目は「福島第平成17年東京理科大学理学部物理学科卒業。平成22年東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻修了(博士(工学))。平成22年三菱重工業株式会社社員、平成28年東京都市大学講師などを経て令和4年1月より現職。原子力システム工学研究室を担当。大型発電用原子炉の模型(沸騰水型軽水炉の例)小型原子炉の簡易モデリングと負荷変動に対する原子炉応答計算の概念図日夜稼働する研究室の高性能並列計算サーバー竹澤 宏樹 准教授量子・原子力統合工学分野Possibilities一原子力発電所廃止措置への貢献」です。溶融した核燃料と構造材が混ざり冷え固まった燃料デブリを損傷した原子炉格納容器から取り出す作業は、廃止措置の中核工程です。燃料デブリは通常の核燃料とは組成・形状・分布が根本的に異なるため、作業時の未臨界確保と万が一の臨界到達への備えも不可欠です。当研究室では、燃料デブリ取り出し作業員の安全確保方策の確立に必要な基盤技術として、燃料デブリ多粒子体系に特化した臨界影響解析技術を開発しています。二つ目は「放射性廃棄物減容」です。放射性核種をエネルギー源とする放射線電池・RTGを地下・深海等で長寿命インフラ電源として応用し、放射性廃棄物を社会に役立てる方策も研究しています。これらの研究では、国内外の研究機関や当研究室が開発する解析コードと高性能並列計算サーバー(図3)を駆使しています。10LoadWeek 1Week 2Nuclear (large scale)Nuclear (small modular)Week 3WindWeek 4SolarHydroBattery「学生が書いた研究室ガイドブック」研究について詳しく見るカーボンニュートラル社会のエネルギーミックスに貢献する次世代原子力システム原子力システムの新たな活用方法を開拓する

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