長岡技術科学大学 大学案内 2025
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???()1231238物質生物工学H2ナノシートと呼ばれる究極に薄い材料の研究をしております。このナノシートとは、その厚さ方向が約1ナノメートルに対して横方向にはその数百倍以上のサイズ(数マイクロメートル程度)をもつシート形状の材料です。なぜこれが究極に薄いかというとこの厚みに理由があります。約1ナノメートル程度ということは、分子1つ分や単位格子(結晶の基本骨格)1つ分程度となります。つまり、これ以上に割くことができない状態であるため究極に薄い材料や表面のみからなる材料とも言われています。私たちの研究室では、このナノシートの新しい種類を増やすことと価値を見出すことを目標としています。一般に、ナノマテリアルと呼ばれる材料には、様々な形状(0次元〜3次元構造等)を持つものが報告されています。その中でも、二次元構造(シート構造)を持つナノシートは比較的新しい部類入る材料群です。平成25年 熊本大学大学院大学院自然科学研究科博士後期課程修了(博士(工学))。物質・材料研究機構 博士研究員、北九州工業高等専門学校 講師、熊本大学大学院自然科学研究科 助教を経て、令和3年3月より現職。ナノシートの基(コロイド溶液状態)成膜化したナノシート基板の観察方法ナノシートの実際の観察像(厚さ数nm程度のナノシートの見え方)※1を2のようにして、測定した結果が3船津 麻美 准教授物質生物工学分野Possibilitiesこのナノシートを作る方法として、私たちは出発材料(層状化合物)を砕き(剥離)することにより新しいナノシートを作る方法を利用しています。このナノシートを作る上での面白さは、元々は既知の組み合わせの材料(層状化合物)であっても、それを剥離することができれば(形が既存のものより大きく変化するため)新しい特性を見出すことができることにあります。加えて、ナノシートは、物の基本骨格をなす材料とも考えることができるため、様々な組み合わせで積み上げることにより多種多様な材料を設計することもできます。ナノシートの特性には、形状由来の面白さと不安定さが共存しており、これらの両面から考えた研究のアイデアを学生と共に日々議論し合っています。そして、これまでにない新しい価値を生み出す可能性を持つ材料だと信じ、様々な課題に向かい日々研究を進めています。72「学生が書いた研究室ガイドブック」研究について詳しく見るO2新しい価値の提案を目標に新材料の開発を医療や半導体、様々な発展の原点に

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