()1231239環境社会基盤工学への挑戦 NUT RESEARCH平成6年株式会社アイ・エヌ・エー技師、平成9年長岡技術科学大学助手。平成11年フロリダ大学工学部土木・海洋工学科(文部科学省在外研究員)。平成14年博士(工学)(長岡技術科学大学)。平成19年長岡技術科学大学助教を経て平成30年より現職。津波シミュレーション:能登半島地震発生後9分の水位分布可視化した離岸流:海面着色剤で可視化して無人航空機で上空から撮影無人航空機を使用した調査:ソナーで水中の水深計測をするとともに、航空写真から陸上の地形情報を作成環境社会基盤工学分野私たち人間は、地球上に様々な社会基盤を整備して生活をしています。その中で、水は大気や川、海の中などで存在します。これらの水が動くとき、その空間スケールの大きさからとても大きなエネルギーを持つ運動となります。人間はこれを自然エネルギーとして水力発電等で利用していますが、その反面、大雨時には河川では洪水が発生し、強風時には海では高波浪が、大きな地震では津波が発生することもあり、これらの巨大な水の運動により社会基盤が破壊されたり人に危害を与えたりします。更には、近年の地球温暖化の影響で水の運動が激しくなっている傾向にもあります。また、人間は水との関わりがとても深い生物ですが、人間は水中では呼吸ができない問題があり、それによる溺水などの水難事故が発生します。このような災害や水難事故などから社会基盤や人命を守るためには、まず現象がどのように発ミュレーションやAIによる解析をおこない問題を解決すする津波に強い港湾の設計や、洋上風力発電を日本海テムの開発などをおこなっています。こうして得られた技ます。これらの活動を通じて、社会基盤の中で人間がより上質な活動をおこなうための貢献をしています。生するのかを正確に把握することが必要です。そのために私たちは現地に赴き、無人航空機や様々な計測機器を用いて流れや地形を計測します。現状を把握した後は研究室で観測データや他のビッグデータ等を用いてシる技術の開発をおこなっています。現在では北陸で発生で展開する際の課題の克服、AIによる離岸流検知シス術や知見は学術的に論文にまとめるだけではなく、広く社会に役立てていただく必要があることから、啓発活動にも力を入れています。例えば海上保安庁の離岸流調査に協力したり、地域で講演などをおこなったりしていビッグデータやAIを活用し巨大な水の力から社会基盤や人命を守るPossibilities犬飼 直之 准教授水災害・水難ゼロの社会
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