長岡技術科学大学 大学案内 2026
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()1212量子・原子力統合工学平成18年山形大学工学部卒業、平成23年同大学院理工学研究科博士後期課程修了。平成23年長岡技術科学大学極限センター研究員、平成25年同大学助教を経て令和6年3月より現職。高出力ビーム発生装置"ETIGO-IV"半導体露光用パルスパワー回路量子・原子力統合工学分野過程のエネルギー効率改善のための新たな高出力電源回路構成を考案し、実用化に向けて開発を進めております。二つ目の研究は大電力マイクロ波発生技術です。マイクロ波とは電磁波の一種であり、携帯電話の電波送受信であったり、電子レンジの食品加熱等で使われますが、私の研究室では電子レンジの1万倍以上も高い電力を持つマイクロ波の発生について研究しており、新しいエネルギー源である核融合や宇宙の起源を探る加速器等への応用を目指しています。大電力マイクロ波の発生のためには本学にある国内最大出力のビーム発生装置"ETIGO"を使用し、大強度ビームをマイクロ波に変換します。最近は、この変換過程について理解するためにビームの計測やシミュレーションを行っています。上記の研究活動を通して、学生に対するハード面の実践教育と、産業・環境への貢献を目指しています。バッテリーやコンデンサに蓄積されたエネルギーを時空間的に圧縮するパルスパワー技術により、通常は存在しない極限エネルギー密度状態を作り出すことができ、これにより発生する高出力の放電プラズマ、放射線、短波長光等は半導体製造、排ガス・排水処理技術、マイクロ波発生などに応用されています。私の研究室では、これらをいかに高い効率と精度で、コンパクトに、安定して作り出し、利用するかについて研究しています。以下に二つの研究例を紹介します。一つ目は半導体製造電力削減のための電源開発です。近年、経済や地政学の観点から半導体製造は非常に重要な分野になっていますが、半導体需要の増加に比例してその製造のための消費電力も膨大になってきており、温室効果ガス削減の観点からも省エネ化は必須です。そこで私の研究室では半導体製造の中でも最も重要と言われる露光10「学生が書いた研究室ガイドブック」Possibilities極限エネルギー密度研究を通した産業・環境への貢献須貝 太一 准教授研究について詳しく見る核融合発電の実現によるエネルギー問題の解決

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