長岡技術科学大学 大学案内 2026
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()123123システム安全工学への挑戦 NUT RESEARCHシステム安全工学分野国際的にも国内的にも「安全とは、許容不可能なリスクがないこと」と定義されています(ISO/IEC GUIDE 51:2014、JIS Z 8051:2015)。しかし、そもそも想定外の事象はリスク評価に含まれず、データが不十分で不確かさが残ることから、リスクの正確な評価は不可能です。また、社会は許容不可能なリスクをどのように決めればいいのでしょうか。これまでは設計者の視点で安全を定義しリスクを評価してきたのではないでしょか。リスクを指標にした安全に加え、消費者・周辺住民の視点から安全を定義し、それを達成するための方法論について研究しています。研究成果は、設計者と消費者・周辺住民のコミュニケーションを可能にし、新技術の社会的受容性向上に貢献します。コミュニケーションの基盤は信頼です。この信頼を揺るがすような製造業でのデータ改ざん、サービス業での不当表示、金くい現場で起こることが多いですが、その影響は経営をると、動機(人員・資金の不足)、チャンス(誰にも知られない機会)、正当化(納期を守れた)の三要素で(竜巻による飛来物、ミサイル、航空機など)の衝突かことにより、より効果的な防護方法を探っています。融業での不正融資、メディアの情報捏造などの不正事件が多発しています。これらは経営層からは目の届きに揺るがすほど甚大です。これまでの不正事件を分析す説明でき、継続・拡散し文化となると、継承・遵守されていく不正文化の形成過程が見えてきます。この形成過程を断ち切るための研究を進めています。また、安全の確保には、故障やミスへの対策に加えて、外部からの脅威にも備えなければなりません。高速飛翔体ら人・設備などを守る防護方法を提案し、そのアイデアの効果を実験と計算シミュレーションにより検証する11多様な立場・視点から安全を考えるPossibilities山形 浩史 教授平成7年Stanford大学大学院工学研究科修了、平成9年博士(工学、京都大学)。昭和62年通商産業省(現経済産業省)、平成24年原子力規制庁。平成28年長岡技術科学大学実務家教授を経て令和3年8月より現職。様々な金属やコンクリートの組み合わせに対する高速飛翔体による衝突痕秒速100mの射出装置と高速ビデオカメラシステム高速飛翔体の衝突による応力発生の計算シミュレーション結果高速飛翔体の危機に揺るがない安全空間

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