()1231238物質生物工学H2O2H2O平成17年早稲田大学大学院理工学研究科修了。日本板硝子(株)社員を経て、平成23年横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程修了(博士(工学))。産業技術総合研究所契約職員、長岡技術科学大学特任助教・助教を経て、令和2年4月より現職。多孔質WO3膜の概観とその表面構造WO3ナノ粒子薄膜の概観とその断面構造光電極による水の光電気化学的分解試験の様子物質生物工学分野くなり光電極の効率が向上します。また、複数の光触作製すれば、酸素と水素が発生する電極を分けることができるので、水素を回収しやすくなります。私たちの研究室では、光電極の構造を制御することで、高効率な光電極の実現を目指しています。通常の緻密な平坦構造を多孔質構造にすれば、水と反応する面積が大き媒を複合化させることも有効です。これは、生成した電子と正孔が互いに別の光触媒に移動するためです。電子と正孔を空間的に分離することで、水と反応する確率が高まります。今後、これまでにない多孔質構造や複合光電極を作製するためには、新しいプロセス技術の開発が欠かせません。そのために、レーザーを用いた手法、電気化学的な手法、光触媒分散液の開発等、プロセス面からアプローチして、新規な構造を有する光電極の創製に学生とともに日々励んでいます。光触媒とは、光を吸収して化学反応を起こす材料です。光が光触媒内に電子と正孔を生成させ、電子と正孔がそれぞれ還元反応と酸化反応を引き起こします。光触媒は、光さえあれば、匂いの物質やウイルスの一部を酸化分解します。そのため、最近では公共施設に、光触媒が施工された手すりや壁を見かけることが多くなりました。すでに私たちの身の回りに使われている光触媒ですが、光エネルギー変換材料としても期待されています。地球の温暖化を抑制するために、化石燃料に依存しないエネルギー技術が必要です。光触媒を水に入れて光を照射すると、光触媒内で生成した電子と正孔は、それぞれが水と反応して、水素と酸素が発生します。水素は燃料になるので、光触媒は、太陽エネルギーを化学エネルギーへと変換する材料となります。そして、光触媒をコーティングした電極(光電極)を「学生が書いた研究室ガイドブック」Possibilities光触媒で持続可能な社会を実現する西川 雅美 准教授研究について詳しく見る高効率の光電極でカーボンニュートラルへ導く
元のページ ../index.html#9