薬学研究科長・薬学部長林 秀敏薬学部 薬学科5年伊藤 寛人愛知県立刈谷高等学校出身薬学部のページにようこそ。 薬学と言って、皆さんはどんなイメージをお持ちになりますか?病院や町の薬局で活躍している薬剤師さんでしょうか?皆さんが病気の時に助けてもらっているお薬やそれを研究・開発している製薬会社や大学の研究所を思い出すでしょうか?それとも厚生労働省や自治体で健康や福祉のことに従事しているお役人でしょうか?名古屋市立大学の薬学部はいずれのイメージをも実現することが可能な場所です。 以前は不治の病と言われた結核などの感染症の克服、戦後からのわが国の平均寿命の驚異的な延伸など、いずれも治療、診断、予防などの技術革新とともに、数々の画期的な医薬品の開発が多大な貢献をしています。薬の開発は古くは経験的に自然に求め、現代では、最新の知識や先端の技術を駆使し、今までにない新規の機序に基づき創製され、人々の疾病治療や健康維持のために使用されています。しかし、医薬品の多くは適正に使用されなければ、人に対してむしろ毒性を示すようになるものも少なくありません。正しい薬の情報に基づいて、適正に管理され、適正に使用されることが必要です。本学の理念に基づき、薬学部では、6年制のコースである「薬学科」において、幅広い基礎知識と深い専門性を兼ね備え、人間性豊かな高度医療人として活躍する薬剤師の養成を、4年制のコースである「生命薬科学科」において、物質科学と生命科学の基礎知識と技能を有し、かつ薬学人としてのアイデンティティーを備えた創薬・生命科学分野の専門家の育成をそれぞれ目指しています。また、公立大学、そして東海地区で唯一、医学部・薬学部・看護学部、そして附属病院を有する大学の特徴を活かし、各学部との緊密な連携に基づく教育も実践し、基礎の場における創薬、臨床の場における薬物療法という薬学本来の2本の足で支えられた教育・研究活動を展開しています。 平成25年度に改築工事も終了し、素晴らしいキャンパスが完成しました。本学部の「創薬基盤科学研究所」も創薬の研究教育拠点として生まれ変わりました。 130年を超える歴史と伝統に支えられながらも、新しい理念のもと、多くの熱き若人たちが名古屋市立大学薬学部の門をたたき、生まれ変わった薬学部のキャンパスで大いにチャレンジしてくれることを期待しています。私たち薬学部生が通う田辺通キャンパスは、名古屋市立大学が有する4つのキャンパスのうち一番新しく綺麗で、隣には山崎川があり、春になると桜が川沿いに咲き誇り絶景です。講義棟、実習棟、研究棟は日当たりが良く、教育・設備も充実しています。また薬草園があり、薬となる草木を見て、触れて、味わって身近に生薬について学ぶことができます。名古屋市立大学薬学部の特徴の一つに、医学部・薬学部・看護学部の3学部合同の医薬看連携地域参加型学習という授業があります。実際に患者や障がい者の方々と接することができ、他の授業では味わえない楽しさや連帯意識が芽生えました。授業、テスト、実習とこなさなければいけないことがたくさんあり、覚えることが多く大変なイメージがありますが、イベント事は本気で楽しみ、薬学部全体で取り組んでいます。特に、毎年10月に行われる薬学祭では、3年生が主体となって1,2年生がそれに協力する形で成り立っており、学年の垣根を超えて、和気藹々としながら盛り上げています。現に社会へ出て活躍されている先輩方との交流の場や、1~6年生と接する機会も多くあり、横の繋がりはもちろん、縦の繋がりも強く、気軽に相談できる仲間がたくさんできます。薬学は専門的ですが、活躍できる分野は想像以上に多岐にわたり、そしてそれぞれがとても魅力的です。研究や実習を通し、より具体的な将来像を描くことができると思います。ぜひ僕たちと一緒に学び、実りある大学生活を送りましょう。中期計画における重点的取り組み❶臨床薬学教育研究センタ一の整備をはじめとする臨床薬学教育体制の充実❷医学部・看護学部と連携した臨床薬学教育プログラムの開発と展開❸創薬・生命科学分野での教育研究体制の充実にむけた薬学研究科の組織改正と 重点研究拠点の整備・構築❹新しい薬学部・薬学研究科にふさわしい研究棟、教育棟の建築薬学を学ぶにあたって、一番大切なことは何ですか。 生命・薬などの「モノ」の本質を科学的な目で捉えつつ、薬と医療を通じて人類の健康と福祉の発展に貢献するという態度・意欲を養うことです。それぞれの学科の教育課程の違いは? 1年生の全学教養教育科目、2年生の基礎薬学科目までは両学科とも共通ですが、3年生からそれぞれの専門科目が入ってきます。さらに、生命薬科学科(4年制)は3年生の後期から、薬学科(6年制)は4年生から卒業研究が始まります。薬学科(6年制)の4年生の後期からは事前実習が始まり、5年生の病院や薬局での実務実習へと進んでいきます。各学科の卒業後の進路状況について教えてください。 平成21年度から新制度4年制(生命薬科学科)の卒業生を輩出しており、そのほとんどが大学院博士前期課程に進学しています。大学院博士前期課程の修了生は、その2/3が製薬企業の研究開発に、2割が博士後期課程あるいは6年制の上の博士課程に進学しています。また、平成24年3月以降、新制度6年制(薬学科)の卒業生は病院や薬局の薬剤師など医療関連の進路のほか、製薬会社の研究開発、公務員、大学院博士課程への進学なども多く、研究や行政の分野での活躍も期待されています。薬学部生から21MessageQ&A
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