芸術工学研究科博士前期課程2年吉元 勇輝 芸術工学研究科は、人間についての深い理解、広い視野、豊かな感性、科学技術に関する知識と技術の修得、独創的な研究や制作を可能とするカリキュラム等により、専門的デザイナー・設計者・研究者を養成することを目的としています。研究科は三領域(情報環境デザイン領域、産業イノベーションデザイン領域、建築都市領域)で構成され、社会が抱える諸問題の解決方法を提案できる能力を養成します。 博士前期(修士)課程では、学部から進学する院生だけでなく、職場での研究を高める目的などのために入学する社会人の再教育にも対応したカリキュラムや研究施設等を整えています。 博士後期(博士)課程では、大学等の研究機関に所属する研究者や専門的デザイナー・設計者・技術者として活躍できる人材を養成します。芸術工学研究科大学院生から36私は、普段リハビリテーション専門職のひとつである理学療法士として介護老人保健施設で働いています。高齢者の歩行動作の評価およびトレーニング方法の一つとして、芸術工学的な視点を持ちチャレンジしてみたいと考えたことが入学の動機です。入学前の私は、とにかくストイックに研究ができればそれで良いと考えていました。しかし、プログラミング、デザイン、認知心理学、生体情報など本研究科だからこその様々なゼミや講義を受けていく中で、少しずつそれは変わっていきました。多種多様な分野の先生方や学生たちとのディスカッションを通して、研究さえできればよいと思っていた私はいつのまにか様々な学問に触れる、考えを巡らせるという大学院生としての毎日を楽しむようになりました。もちろん仕事との両立は簡単ではありませんが、社会人でも通いやすいように授業時間や履修年数などの配慮、個別のサポートがあることは大変ありがたかったです。そのような生活を本研究科で過ごしてきた結果、自分の研究をブラッシュアップできた事はもちろんですが、ユニークで刺激的なゼミや講義による多種多様な刺激によって、私自身を大きく揺さぶる経験が得られたことは真に代えがたいことだと感じています。研究と教育内容●情報環境デザイン領域 映像・音響、メディア表現、インタフェース、情報通信工学、メディア工学に関わる高度な理論・技術・技法を修得し、情報空間のデザインやメディア表現、情報環境を向上させるシステムやソフトウェアに関する研究や制作を行います。 関連分野のデザイナー、クリエーター、技術者、研究者を養成します。●産業イノベーションデザイン領域 プロダクト、グラフィック、3DCG 、機械・電気工学、環境情報学、人間工学を対象とし、健康や医療に資するプロダクト、プログラミング技術を活用した3DCG 、新しいグラフィック表現などの研究や制作を行います。 デザイナーや技術者、研究者を養成します。●建築都市領域 意匠・計画、構造・材料、環境・設備、都市・地域に関わる理論と技術を修得し、美しく、機能的、安全で快適な建築・都市の設計に関する研究や制作を行います。 建築・都市分野の設計家や技術者、研究者を養成します。二つの特色❶学外実務プロジェクト・学内実務プロジェクト 博士前期課程では、専門科目の他に、一般院生に対しては、修得する理論・技術が企業等での実務でどのように活かされるかを理解させるために、メーカー、デザイン事務所、建築設計事務所などで実務を経験する学外実務プロジェクトを、社会人院生に対しては、学内での事例研究や課題研究を行う学内実務プロジェク卜を、共通科目として開講しています。❷昼夜開講制と長期履修制度 博士前期課程・後期課程とも昼夜開講制と長期履修制度をとっており、社会人を広く受け入れています。社会人院生は、夜間(17:50~21:00)あるいは土曜日に開講される授業科目を履修することにより、修了に必要な単位を修得することができます。諸事情によって期間内での履修が困難な院生は、定められた教育課程の期間分の授業料で、履修期間を延長することができます。中期計画における重点的取り組み●大学院教育の国際化を推進するために、秋入学生の受け入れ、海外大学とのダブルディグリー(本学と海外大学と同時に学位取得が可能)を実施します。芸術工学研究科MessageGraduate School of Design and Architecture
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