名古屋大学 大学案内 2023
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 未来社会創造機構では、研究組織として、「モビリティ社会研究所」「ナノライフシステム研究所」「マテリアルイノベーション研究所」「予防早期医療創成センター」「脱炭素社会創造センター」を設置しています。 また、革新的技術の創出を目指した「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム」の実施部局として研究開発を進めるとともに、「オープンイノベーション機構の整備事業」では、大型共同研究のマネジメントを可能とする体制を構築し、研究成果の社会実装を目指す次世代産業の提案に取り組んでいきます。※KMIは理学研究科の学生への学習機会を提供しています。※当機構は工学部・情報学部の学生に対する教育も行っています。KMIが参画するBelle II実験(C)KEK中山間地での自動走行実験ナショナルイノベーションコンプレックス(NIC)ES総合館C26F34MAPC24MAPwww.kmi.nagoya-u.ac.jpwww.mirai.nagoya-u.ac.jpGUIDE TO NAGOYA UNIVERSITY 2023 76素粒子宇宙起源研究所未来社会創造機構物質の根源・宇宙の起源に挑戦する 物質の根源・宇宙の起源が何であるかは、長く人類が追究して来た命題です。名古屋大学では、大学草創期から独創的な素粒子論研究の礎が坂田昌一博士らによって築かれ、これらが小林・益川理論へと繋がり、小林・益川両博士の2008年ノーベル物理学賞受賞に至りました。また、理論的研究と共に、早い時期から素粒子・宇宙分野の実験研究が進められ、チャーム粒子、タウニュートリノの発見、小林・益川理論の実証など、現在の標準理論を確立する上で鍵となった第一級の世界的成果を生み出しています。 素粒子宇宙起源研究所(KMI)は、名古屋大学におけるこれら輝かしい伝統をさらに発展させるべく、素粒子理論・実験分野、宇宙理論・観測分野、数理物理学分野、宇宙線研究分野の関連研究者を結集し、現代物理学の新たな地平を開拓することを目的としています。 KMIの研究者は、LHC実験、スーパーBファクトリー実験、スーパーカミオカンデなど新しい現象の発見が期待される国際的な実験プロジェクトで中心的役割を果たしています。さらに、標準理論を越える理論模型、弦理論など、独創的な研究で世界をリードしています。 理論研究、加速器実験、宇宙観測という様々な手法で研究を進めるこれらの人材を結集し、密接に連携することで、KMIは名古屋大学でのみ可能なダイナミズムを持つ研究組織を目指します。産学連携によるイノベーション創出 未来社会創造機構は、平成26年4月に文部科学省の革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)に採択されたことを契機として設立された比較的新しい組織です。本機構では、SDGs(Sustainable Development Goals)に代表されるグローバルな社会課題に対して、社会・市民と密接に連携して解決を目指しています。 従来の大学における研究開発とは異なり、最終的に研究開発の成果を社会実装までつなげることを主目的に置いていますが、大学単独で行う研究開発では限界があるため、民間企業、自治体等とも連携しています。 令和4年5月1日現在、民間企業が9の研究部門/センターを設置し、企業研究者と大学教員が連携しながら研究開発を実施しています。 また、複数の自治体と連携し、実証実験を行うフィールドを提供いただく等、多岐にわたる協力体制を敷いています。

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