名古屋大学 文学部 大学院人文学研究科案内 2024
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https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/about/about-sub2/classics.htmlClassics● 卒業論文マルティア―リス『エピグランマタ』における嘲り/ギリシア文学における正義/ソフォクレス『アイアス』における自殺とその穢れについての考察/ルキアノス『トクサリス』における二人の友情観/エウリピデス『ヒッポリュトス』におけるパイドラの怒りについて/『オデュッセイア』における金銀銅の色彩表現/乙女座と双子座の神話についての考察/プルタルコス『ピュティアの神託について』におけるシビュラ/ギリシア悲劇に見る〈恐ろしい〉二人の女達/パライパトス『ペリ・アピストーン』における apistos/プラウトゥス『アンピトルオ』におけるメルクリウスの役割18● 修士論文ワッローの『ラテン語考』におけるNatura/メデイアの子殺し―エウリピデスの悲劇『メデイア』の意味するもの/キケロー『弁論家について』における執筆目的に関する考察/『イリアス』における予言の役割/オウィディウスの諸詩篇における恋と狂気の関係について/ソポクレス『オイディプス王』における知の概念/ソポクレス『ピロクテテス』における「悲劇的英雄性」についての考察/『アエネーイス』4歌におけるTellus女神の役割/エウリピデス『ヒュプシピュレー』における主人公の嘆きとアルゴー船/ギリシア悲劇の中のoiktos―憐みの感情が劇展開に与える影響について● 博士論文プルタスコス『対比列伝』と初期ローマ人/セネカ悲劇研究 古代ローマにおけるドラマトゥルギー/アキレウスの死後の物語の変遷における『イリアス』の意義について● 教員からのメッセージ叙事詩や悲劇の力強さやギリシア・ローマ神話の奥深さを、翻訳でいいからじっくり味わってみてください。原語で読んでみたいパッセージがいくつも現れるでしょう。それが西洋古典学を学ぶ最大の原動力となります。学部院 「西洋古典」とは、ギリシア語かラテン語で書かれ古代から伝承された作品群のことです。そこには歴史記述や哲学的議論のほか、叙事詩、悲劇・喜劇、抒情詩、諷刺詩、弁論、小説などの多種多様な文学的創造がありました。それらの文学的創造の中でも、最重要な要素は神話です。自由な発想で語られた彼らの神話は、今でも色褪せない骨太の古典文学作品を無数に生み出しました。また、ギリシア・ローマ神話が今日でも世界中の人々の想像力の糧となっていることは周知の通りです。 ギリシア・ローマの古典を、さまざまな角度から研究する学問が西洋古典学です。人文学において重要な位置を占めますが、これを専門的に学べる大学は日本に僅かしかなく、そのひとつが名古屋大学です。名古屋大学の西洋古典学の特長は、神話を題材とする文学に重点を置き、倫理学、宗教学、社会史、人類学の幅広い関心をもって研究と教育を進めているところにあります。 当研究室では、西洋古典と神話についての講義をはじめとして、古典文学研究にアプローチするための演習のほか、実際にテクストを原典で読むために必要となる、ギリシア・ラテン語の様々なレベルの授業を開講しています。古典テクストを扱うための文献学的方法と知識、注釈や研究書の用い方なども教授します。授業における討論と個人指導を重視し、各自が自由に選択したテーマを研究発表する機会を多く設けています。吉武 純夫 教授文学博士 古代ギリシア人の死生観、ギリシア・ローマの神話と文学、ギリシア・ラテン語学・『ギリシア悲劇と「美しい死」』(名古屋大学出版会、2018)・“Aretē and the Achievements of the War Dead: The Logic of Praise in the Athenian Funeral Oration,” War, Democracy and Culture in Classical Athens (Cambridge UP, 2010)川本 悠紀子 准教授Ph.D.(Classics) 西洋古典学、西洋古代史・「オウィディウス『変身物語』」『名著で読む世界史120』(山川出版、2016)・「ウィトルウィウスの『建築書』の古代ローマにおける受容」『西洋美術史における「古典」の創出(古典主義再考Ⅰ)』(中央公論美術出版、2020)西洋古典学

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