名古屋大学 文学部 大学院人文学研究科案内 2024
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https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/about/about-sub2/indian-philosophy.htmlThe Bloomsbury Research Handbook of Indian Philosophy of Language(Bloomsbury, 2020)Indian Philosophy● 博士論文Language and Interpretation in Mahāyāna Buddhist Tradition/サンスクリット詩学における文体理論/古典インド実在論研究/説一切有部思想の展開/初期ヴェーダーンタ学派不二一元論の研究/古典ニヤーヤ学派における推理論の研究/Emptiness in the Cūḷasuññatasutta/古代インドにおける女性仏教修行者の生活/瑜伽行派の思想展開/タイに伝わるパーリ語蔵外仏典の研究/『チャンドラ文法』の研究―仏教とパーニニ文法学との関係を中心にして―20● 修士論文ハリバドラ・スーリ著『ニヤーヤ・プラヴェーシャカ註』の和訳研究/『マハーバーシュヤ』「パスパシャー・アーフニカ(第一日課)」研究/ヴェーダーンタ学派の教義綱要書『アパロークシャ・アヌブーティ』の研究/『中論』第十章に対する諸註釈の比較研究/『シャーラダー・ティラカ・タントラ』におけるシンボリズムとヨーガ/『根本説一切有部律』「破僧事」における降魔成道説/Abhidharmakośabhāṣyaと註釈書における四念処の研究/インド文法学派における願望法語尾の意味/サーンキヤ学派における主宰神の研究—Yuktidīpikāを中心に/ラトナキールティの他心論—多様不二論との関係を中心に● 講義題目インド哲学概論/仏教概論/サンスクリット語/パーリ語/古典チベット語/インド哲学文献研究/初期仏典研究/中観仏教研究/唯識仏教研究/インド文学作品研究/パーニニ文法学研究/古代武術論研究/古典文献学入門/密教入門/叙事詩研究入門/形而上学研究入門/インド美学芸術論概説/祭事哲学概説/仏教認識論概説/言語哲学概説学部院 伝統的に「インド哲学」(印哲)と銘打ってはいますが、研究対象は実はインドにも哲学にも限定されません。インドを中心に、ネパール、チベット、スリランカなどにも掛かる南アジア一帯の古典文献をひろく研究しています。かつては仏教思想とバラモン教哲学のふたつを研究の核としていましたが、現在の研究領域はこれらに留まらず、思想・宗教のほか、文学、法典、文法学、芸術論、医学など多岐にわたります。扱う文献の多くはサンスクリット語、パーリ語、古典チベット語などの古典語で書かれており、多言語の資料を駆使して古典文献を読み解きます。 研究方法としては、日本やヨーロッパで主流となっている古典文献学の方法を中心としつつも、その枠に囚われないことを重視し、比較哲学、応用倫理、認知科学、文学理論などの視点も導入して新しいインド哲学研究を試みています。デジタル人文学の活用も推進しています。 インド哲学の研究では、国外の研究者とも連携して進めていくことが不可欠です。そのため、とくに大学院生には留学を推奨しています。渡航先としてはインドのほか、ドイツ、オーストリア、イギリス、アメリカなどが多く、それぞれの研究の方向性に応じて計画を立てます。 学生はみなインドが大好きかというとそうとも限らず、それぞれさまざまな理由でインドの古典文化に惹かれて研究室にやってきます。インド哲学の影響を受けた欧米の音楽、日本の文学作品やサブカルチャーが入り口だったという学生も少なくありません。インド古典文化のもつ多文化共生志向と寛容主義は研究室にも生きていて、多様な人間が自由に議論できる環境を尊重しています。岩﨑 陽一 准教授博士(文学) インド言語哲学、形而上学、文法学・『言葉の「正しさ」をめぐって──インド新論理学派による言語情報の哲学──』(山喜房仏書林、2017)・“Human Intellect and God’s Will in Navya Nyāya Semantics,”インド哲学

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