名古屋大学 文学部 大学院人文学研究科案内 2024
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https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/about/about-sub2/socioculturalchangestudies.html・『白海における中国人―労働移民の歴史、1915-1919年』(ソユーズ・デザイン社、 2017)La subjectivité journalistique, Lemieux, C. (ed), Ed. de l’EHESS, 2010房、2005)Socio-cultural Change Studies● 博士論文ウズベキスタンのコリョサラムの移住及びホスト社会における適応―ロシアと韓国における事例の比較研究/創られる『民族』:現代中国における民族政策とマイノリティ集団の変容―四川・雲南両省ルグフ地域ナズ人集団を例に/現代中国都市部における回族女性に関する人類学的研究―浙江省義烏市の事例を中心として/名古屋華僑社会の歴史的変遷及び新たなコミュニティの形成と発展/アイスランドにおける中国系移民コミュニティの形成と発展―新たな経済活動によるネットワークの変遷に着目して● 修士論文フランスにおける教育と「機会の平等」―パリ政治学院特別選抜制度の事例を通して/「満洲国」における被植民者への学校思想教育の分析―教科書内容と教育の実態から/モスクワにおける華商コミュニティ及びその活動空間―リュブリノ市場を中心に/「アルキ」を取り巻くスティグマへの一考 (Réflexion sur les stigmates entourant les harkis)/中国帰国者高齢者の異文化介護の現状と課題―介護の現場を中心に/日中における戦争記憶のあり方に関する比較研究―南京大虐殺と広島被爆を事例に/四川省における出稼ぎ労働者の世代間格差―四川省福来村を例として/回族と主流社会にとっての「清真」/ブラジル系第二世代の進路選択/日本華僑社会における伝統の再編―春節祭を中心に● 学生からのメッセージ授業は、分野を問わず多くの学生が参加し、多様な意見が飛び交います。予想もできない意見に戸惑うこともありますが、大変刺激的です。また授業以外でも、読書会、食事会などを通して、先生方との交流も盛んに行われ、とても充実した研究生活も送れます。学生同士の交わり、先生方の手厚い指導のなかで、学びの幅を広げ深めることができます(博士後期課程 川村潤子)。学部院23 生まれた地域や国を離れ、異なる文化環境で暮らす人々は、年々増えています。同じ文化の人々に囲まれ、自分がどの様な文化に帰属しているか考えたことのなかった移動者は、新しい地で生活をしているなかで、受け入れ社会の人々と接触し、共に働き、共に生活を営み、他文化の相手と結婚し、次第に自分のアイデンティティについて考え始めます。受け入れ社会の側でも、他者との接触を通じて社会関係は変容し、統合や排除をめぐる動きが生まれてきます。また、近代化、グローバル化、情報社会の到来に伴い、文化的規範、慣習、祭りなどが変容しはじめ、様々な新しい現象が生まれつつあります。 文化動態学という分野では、文化と社会がどのように変化していくか、移民、マイノリティの人々がどのように受け入れ国の人々、いわゆるマジョリティと接触しているか、文化と文化の交流が国際社会にどのような影響を与えているか、どういう時に個人や集団の活動がナショナリズムの高揚の原因になっているか、母国を離れ離散して住んでいる人々がどのように繋がっているかなどというテーマをはじめ、数多くのトピックを取り扱っています。 大学院の授業では様々な理論を学び、多くの文献、資料を読むことによって社会変容の諸側面をより深く理解することになりますが、それに限らず、自らインタビューを実施し、集めたデータを分析し、これまで誰も考えてこなかった問題に光を当てることにも挑戦できます。文化や社会の新しい現象の発見に参加してみませんか。サヴェリエフ・イゴリ 教授博士(学術) 歴史学、文化人類学、移民研究・『移民と国家―極東ロシアにおける中国人、朝鮮人、日本人移民』(お茶の水書鶴巻 泉子 准教授修士(社会学)D.E.A.(Sociologie) 国際社会学、ヨーロッパ地域研究・「テロリズムの表象」『日仏社会学年報』28 (2017)・« Autonomie journalistique et résistance aux cadrages imposés », 坂部 晶子 教授博士(文学) 社会学、植民地研究、中国地域研究・『「満洲」経験の社会学――植民地の記憶のかたち』(世界思想社、2008) ・『中国の家族とジェンダー―社会主義的近代化から転形期における女性のライフコース』(編著、明石書店、2021)文化動態学

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