名古屋大学 文学部 大学院人文学研究科案内 2024
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https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/about/about-sub2/archaeology.html● 博士論文出土木製品からみた原始集落の生業と生活/メソアメリカ古典期社会の形成過程に関する考古学的研究/東アジア先史時代の植物質編物の研究/東海地方における縄文・弥生時代の貝塚/縄文時代における身体装飾の研究/縄文時代における精神文化遺物の研究/メソアメリカ先古典期文化の研究/中世瀬戸窯の研究/韓半島における原始・古代の漁撈文化/東アジアにおける窯業技術の発展史と技術交流史の研究30● 修士論文メソアメリカ南東部の先古典期土偶にみる生活習慣に関する基礎的研究/西三河地域の古代寺院における瓦生産/日本統治時代の台湾における日本式瓦の生産と流通/弥生前期から古墳前期の伊勢湾周辺地域における墳墓の地域性と階層性/縄文時代の東海・北陸における石器石材流通/古代日本における陶硯の使用実態研究/古代伊勢地域における仏教の受容と地域の動向/古典期前期メソアメリカ南太平洋岸地域におけるテオティワカン様式土器の受容/矢作川流域における4-9世紀の集落/平安時代後期の濃尾地域における灰釉陶器生産● 教員からのメッセージ教員は日本考古学を専門としていますが、考古学という学問は日本のみに限定されるものではありません。教員が日本考古学の成果や方法論を外国に発信するとともに学生には外国の考古学を勉強することもすすめています。学部院 考古学は、遺跡・遺物の実証的研究に基づいて社会や文化を解明し、人類史を再構成する学問です。遺跡を発掘し、出土した遺物を分析して考古学的事実を正確に把握するとともに、それらを深く掘りさげて新しい歴史像を再構築していきます。対象となる遺跡や遺物を正しく理解するためには、歴史学や文化人類学などの人文科学の知識が必要です。また、文化財科学や自然地理学などの自然科学の知識も必要になります。 近年の考古学の特徴の一つは、今までのように原始・古代ばかりでなく、中世・近世の遺跡も発掘し、さかんに研究をおこなうようになったことです。その結果、近代・現代との連続性がよくわかるようになり、考古資料による歴史も復元できるようになってきています。もう一つの特徴は、自然科学的な分析方法を積極的に導入するようになったことです。それによって新たな成果がもたらされ、おもしろい考古学の世界が急速にひろがっています。 このような状況に対応し、授業では伝統的な考古学を基礎として最新の研究方法や動向もとりいれています。また、考古学専門には講義や演習のほかに実習という授業があります。これは遺跡の発掘技術や遺物の整理技術を習得するための授業で、本専門ではもっとも重要な授業として位置づけています。論文の作成にあたっては、課題を発見し、課題に対する作業仮説をたて、資料をあつめて作業仮説を検証し、結論をみちびくように指導をしています。梶原 義実 教授博士(文学) 日本考古学(歴史考古学)・『国分寺瓦の研究』(名古屋大学出版会、2010)・『古代地方寺院の造営と景観』(吉川弘文館、2017)考古学Archaeology

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