名古屋大学 経済学部案内 2024
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専門的知識どのような経済活動も、多くの人々の協働と多様な知識の結集によって成り立っています。製品を作って売るという単純な行為でさえ、何を作るのか、どうやって作るのか、作るのに必要な労働力・資材・資金の調達はどうするのかなど、それぞれに専門的な知識や技術、それらを担う人々の協力が不可欠です。そして、このために必要な知識は、人文科学や自然科学の領域にまで広がっており、そのすべてを一人で勉強してマスターすることは現実的ではありません。そこで、経済学部の卒業生には自分自身の専門分野を磨くとともに、幅広い分野の人との協働を可能にする学識が求められます。ここでいう学識とは、コミュニケーションの基礎となるような幅広い教養や知識、および論理的思考力のことです。このような学識と専門的知識を兼ね備えた人のことをT字型人材と呼ぶことがあります。Tの横棒が異分野の人との連携を可能にする学識、縦棒の部分が深く掘り下げた自分の専門的知識の部分です。名古屋大学経済学部は、前身である旧制名古屋高等商業学校(1920年創立)以来100年を超える伝統の中で、まさにT字型人材を育成してきたといえます。専門(Tの縦棒)を徹底的に鍛える3・4年次のゼミと卒論研究は、一人の教員が指導する学生を原則8名までとする徹底した少人数教育を厳格に実践しています。また、幅広い学識(Tの横棒)を獲得するために、1・2年次に行われる全学教育(一般教養)だけでなく、専門科目群の中に理論的アプローチ、歴史的アプローチ、事例研究、実地調査など多種多様な科目を用意しています。かつての旧制名古屋高等商業学校が、「単なる商業経済の専門学校でなく総合大学としての偉容を有する」と賞賛された、そのDNAを今に引き継ぎ、有為なT字型人材を自然に育むカリキュラムを展開しています。1幅広い教養・知識理論的思考力T字型人材の育成

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