名古屋大学 経済学部案内 2024
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玉井ゼミナール山口ゼミナール徹底した少人数制による専門研究と人格的交流の場4年杉浦昂樹さん経済学部のカリキュラムにおいて、ゼミナールは重要な役割を果たしています。ゼミは必修で、教員と原則8名までの学生によって構成されます。ここで専門分野の研究を集中的に行います。まず2年次秋学期に、各教員によるゼミのテーマの発表、先輩達によるゼミ紹介などを参考にしてゼミを選択し、書類審査や面接を経て、所属ゼミが決定されます。そして、3年次からゼミが始まります。各ゼミの活動内容は多種多様ですが、一般的には、数冊のテキストを読み、報告・討論する形で運営されます。工場見学や企業調査を行ったりするゼミもあります。また、夏休みには、レポートが課さ玉井ゼミは、多様な社会問題を広く研究対象と捉え、公共経済学の観点から学びを深めるゼミです。3年次は、『公共事業評価のための経済学』を輪読しました。また、グループワークで「金沢市における都市再生」や「教育と貧困」など、身近な政策や社会課題について意見を交わしました。ディスカッションでは、自分だけでは思い至らない考えを聞くことができて、柔軟で多面的山口ゼミでは、マーケティングを切り口に身の回りの事柄を幅広く対象として、それらの要因や仕組みについてまで深く考えていきます。そのため、以前は気にも留めなかったことにまで興味・関心が湧くようになり、より広い視点で物事を捉えようと意識するようになりました。3年前期は、テーマを自分の中に落とし込んで論理的に考えたり、それをわかりやすく相手に伝えたりすることの難しさを実感しました。山口先生からの丁寧なフィードバックやゼミ生との意玉井ゼミでは、市場経済において公共部門が果たすべき役割について研究しています。3年生の春学期は、公共経済学の標準的なテキストを用いて公共政策の効果や分析手法の基礎について学びます。続く秋学期は、グループごとに個別のテーマを設定し研究を進め、学期末の研究発表会で報告をします。さらに、4年生では、これまでの学習内容を基礎として、卒業論文の完成をさせるとともに、卒業研究の内容を3・4年生の合同ゼミとなる卒業研究報告会で発表します。な思考力を養えました。4年になってからは、卒業研究に取り組みます。私は、「コンパクトシティ政策」をテーマに選びました。和やかで自由な雰囲気の玉井ゼミでは、興味のあるテーマを存分に追究する喜びを味わえます。ゼミ生と互いに刺激し合い、常に新しい気付きを得ていく中で、自分の確かな成長を感じています。4年髙橋彩穂さんマーケティングを考える上では、消費者を科学的に理解することが重要です。そのための理論や手法を修得し、新たな消費社会を創造する基礎力の構築をゼミの目標としています。3年春学期は、消費者行動論の標準的なテキストを下敷きに、ゼミ生全員参加のディスカッションを通じて、身の回りのマーケティング事象と理論のつながりを見出す力を養います。3年秋学期は、ビジネスデータの解析を通して、数理的に消費者の心理や行動を理解・モデル化する方法を学びます。4年次には各自が設定した研究テーマについて、3年次までに学んだ知識や手法を用いて卒業論文を執筆します。その他ゼミ活動の運営では、懇親会から研究発表会に至るまで、学生の主体性が尊重されます。見交換からは多くの刺激を得ることができました。3年後期には外部のデータ解析コンペティションに参加しました。データと向き合い、社会の課題を解決するために自分たちの知識をどう使えば良いのか考えることからはとてもやりがいを感じました。ゼミを通し、教えてもらうだけの姿勢でいては得ることのできない、自らの興味をもとに学んでいくことの楽しさを知ることができました。れたり、ゼミ合宿を行ったりすることもあります。インターゼミナール(他大学との研究発表会)に参加するゼミもあります。4年次には、卒業論文の作成が重要な課題となります。研究テーマを絞り込み、より専門的な文献を読んだり、詳細なデータ分析をしたりします。そして1月中旬に、4年間の勉学の集大成として、卒業論文を提出します。この他にも、ゼミ旅行やコンパ等、ゼミ単位の行事がたくさんあります。このように、ゼミは単に専門知識を学ぶだけの場ではなく、教員や学生同士の人格的交流の場でもあります。ゼミ活動にどのように関わるかで、経済学部の生活は大きく変わるといっていいでしょう。3ゼミナールで学ぶ

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