名古屋大学 医学部医学科案内 2024
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18金 明近藤 光佐々木 健畑下 直名古屋大学では全国でもハイレベルな医療教育を受けることができます。しかし、学生の間に国外の有名大学で実習を受けるチャンスがあることは他の大学にはない大きな強みです。ぜひこのチャンスを手にし、世界に通じる医療人としての第一歩を踏み出してみませんか。名古屋大学医学部医学科では全国的にも斬新な制度として、米国、ドイツ、ポーランド、オーストリア、スウェーデン、オーストラリア、英国、中国・台湾の大学医学部ないし医科大学に最終学年の希望者を選抜のうえ約1〜3か月間派遣し、それらの大学で臨床実習の一部(1〜3か月)を行うことを認めています。派遣先の病院では、病棟に当直しながら実際に受け持ち患者のケアに参加するなど、現地学生と同様に医療スタッフの一員としての扱いを受けるため、他では得がたい臨床実習を体験することができます。また同制度に基づいて各大学からの受け入れも始まっており、名古屋大学医学部附属病院での臨床実習に参加したり、研究室で研究に打ち込んだりと、名古屋大学医学部医学科を舞台に国際的な交流の輪が拡がりつつあります。平成15年度〜令和4年度(2003〜2022)の本制度による学生派遣状況を右表に示します。私はアメリカボルチモア市にあるジョンズホプキンス大学の脳神経外科と形成外科で計9週間、中国北京市にある北京大学の脳神経外科で3週間実習させていただきました。医学生のうちに臨床実習をしたことで、それぞれの国で患者さんの問診や診察ももちろん、毎日手術にも参加し、外科的手技を数多く練習させていただきました。アメリカの外科系はスケジュールが過密であり、朝はいつも5 時に病院に着かなければなりませんでしたが、ガンショットから性転換手術まで、日本ではほとんど見られない症例も多く経験して有意義で充実した実習ができました。中国においても死亡原因第一位の脳血管疾患を大量に経験し、日本と同レベルの高い医療技術を見ることもできました。情報社会において医学は日進月歩で発展しているため、今は全世界の医師たちと英語で議論できる能力が求められています。交換留学は正直英語力の向上は期待できませんが、自分の持っている限られた単語力を上手く駆使し、海外の方たちとDiscussionやNegotiationする能力は知らぬ間に育っていくと考えられます。だから今後医師として活躍する後輩たちに名古屋大学の派遣留学という素晴らしいチャンスを逃してほしくないと思います。フライブルク大学はドイツ南西端に位置し、創立から500年以上の歴史がある欧州トップクラスの名門大学の一つです。実習ではNeurozentrumで3ヶ月間脳神経外科、神経放射線科、てんかんセンターを回りました。それぞれの科で体験した手技、治療はどれも刺激的で、毎日大学に通うのが楽しかったくらいでした。中でも神経放射線科での実習が一番充実しており、カテーテル治療があればいつでも助手として治療に参加できるチャンスをいただけました。神経解剖や頭頸部の画像診断についての知識を学べるだけでなく、チームの一員としてスタッフたちと英語でコミュニケーションをとる能力を学ぶことができました。残念ながら今回の経験で大いに英語ができるようになったとか医学的知識が増えたという実感はしませんでしたが、アメリカにおける医療・医学教育・医学英語について知ることができ、また世界の中での日本を支えている・支えていく多くの方に出会うことができた点については非常に意義のあるものだったなと思います。最後になりますが留学を可能にして下さった全ての先生方に厚くお礼申し上げます。ありがとうございました。この度アメリカのノースカロライナ州ダーラムにあるデューク大学にて6週間臨床実習をさせて頂きました。期間中1週間の北東部への旅行を挟んで、最初の4週間は呼吸器内科、後の2週間は感染症内科での配属となりました。呼吸器内科では特に日本では珍しい嚢胞性線維症の患者さんを見せて頂くことができました。感染症内科については本来行けない予定だったのですが、今年もお世話になったホストマザーのJennyのコネクションを通じて実習させて頂くことができました。感染症に興味のある自分としてはアメリカの感染症内科について大まかにイメージを持つことができたのはとても貴重な経験でした。また途中ダーラムから少し離れたグリーンスボロにて、フロンティア会のOG でいらっしゃるKaori Longphre先生の元で麻酔科を見学させて頂きました。休日にもアメリカならではのことをたくさん経験させて頂き思いっきり楽しむことができました。私はオーストリアのウィーン医科大学で3か月間実習をさせていただきました。実習科は「救急」「小児科」「General Practice(家庭医療や地域保健など多彩な内容を扱うプログラム)」の3つでした。長期の海外留学が初めてということもあり、わからないことだらけで最初は実習で戸惑ってばかりでしたが、現地の先生方や学生の助けもあり、自分から積極的に学ぶ姿勢を意識することで、本当に充実した3か月を過ごすことができました。実習内容や医学生に求められる役割も日本とは全く違い、毎日が新しい発見の連続で視野も広がりました。また留学を通してたくさんの素敵な方々と出会うことができ、一生忘れられない時間を過ごすことができたと強く感じています。もちろん海外での実習は不安なこと辛いことも悩むことも多々あるとは思いますが、大変だと思えることに挑戦し、海外の医療や文化に直接触れることができるこの経験は本当に貴重な財産になります。ぜひ未来の後輩の皆さんもこのプログラムに挑戦してみてください!ジョンズホプキンス大学フライブルク大学デューク大学ウィーン医科大学交換留学制度について交換留学経験者からのメッセージ交換留学制度

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