名古屋大学 工学への道 2024
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▲パイプ内の真空エリアと大気圧エリアを隔てるバルブを開き、 マッハ2.5の超音速の気流をつくり出して観察します。▲人力飛行機サークル「AirCraft」で鳥人間コンテスト出場を 目指し、4年次の2021年に出場を果たしました。学部1〜3年次/入学後に驚いたのは、様々な種類のサークル/部活があったことです。私はその中で鳥人間コンテストを目指す人力飛行機サークルを選択しました。その理由は、大学生の時しかできないことに挑戦したいと思ったからです。2〜3年次には「飛行する様子を見た人に驚きを与える機体を製作したい」という思いから、新型形状の機体の設計開発に挑戦。紆余曲折がありながらも、大会で機体を飛ばすことに成功し観客席を沸かせました。またサークル代表も務め、プロジェクトを進める大変さとやりがいを感じることができました。学部4年次〜大学院/私の研究は衝撃波/境界層干渉(Shock Wave/Boundary Layer Interaction; SWBLI)と呼ばれる現象に関する研究です。SWBLIは音速付近以上で飛行する航空宇宙機(ロケット、超音速旅客機など)にとって重要な現象です。特に超音速機のジェットエンジンの空気取り入れ口ではSWBLIによる損失が大きな問題となり得ます。そこで、私の研究では2つの方法でSWBLIによる損失抑制を目的としています。機体壁面で放電させる方法と、燃料である液体水素(-253度)を冷媒に用いた壁面冷却による方法です。数値計算やシュリーレン可視化実験などを行いながら実験を進めます。壁面冷却時の可視化実験は前例がなく、学会で賞を頂きました。博士後期課程への進学後は、今の研究を発展させた次世代の航空宇宙機に必要な基礎研究に取り組みたい。航空宇宙分野の研究が盛んな名大で、入学前には思ってもいなかった道へ進みます。杵淵研究室(航空宇宙工学専攻)所属三木 佑真22AI搭載システムの統計的品質保証自動運転システムなどにおいてAIの活用が進んでいます。AIシステムを実世界で利用するには品質保証が不可欠です。AIシステムの品質保証のための新たな理論構築と方法開発を目指して研究を進めています。信頼されるAIによる腹腔鏡手術支援ロボットあいまい性を持ちながらも種々の意思決定支援がなされる「信頼できるAI」とロボットを組み合わせ、手術助手に代わる手術支援ロボットの研究開発を行っています。これにより、インテリジェントかつ意思決定支援機能を持つ手術支援ロボットの実現を目指しています。デトネーションエンジンの宇宙実証に成功デトネーション波を利用すると燃焼器やエンジンシステムの小型・高性能化が期待でき、航空宇宙機システムを革新できます。JAXA宇宙科学研究所と連携し、デトネーションエンジンの宇宙飛行実験に成功しました。キャンパスライフストーリー わたしの6年間人力飛行機を設計し、超音速機を研究。名大だから探求できた航空宇宙の世界。ここがスゴイ! 機械・航空宇宙工学科

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