名古屋大学 工学への道 2024
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π共役系分子は多彩な光・電子的機能を持つため、新しい材料として期待されています。私たちは有機合成的手法を駆使し、斬新で美しい構造を持つ分子の創成、機能性を探究することで次世代材料の開発を目指します。私達独自の設計戦略に基づく分子を合成し、それらの機能創出を目指しています。特に、化学反応を司る分子触媒や生命現象を制御・理解するための分子ツールとしての機能発現をターゲットにしており、医薬品や農薬、材料合成のための基盤技術の開発を目指しています。石油や植物を原料とするビニルモノマーに対して、分子量、立体構造、モノマー配列を制御する精密重合を開発し、高機能、高性能、分解性などの機能性高分子の設計、合成に関する研究を行っています。ビニルモノマーの精密重合低毒性なAg-In-Ga-S多元半導体ナノ粒子の発光とその制御ナノ材料は、単結晶や分子と全く違う性質を持ちます。私たちは、形状とサイズを精密に制御して金属・半導体ナノ粒子を合成し、光と電子の流れを自在に制御できる新規な機能性材料を開発しています。研究イメージ図無機・錯体化学を基盤に新しい機能性ナノ空間材料の開発・研究を行っています。多様なエレメントと分子の無限の組み合わせを創造し、誰も知らないナノ空間の世界を化学的に開拓しています。無機材料と機能性有機分子の複合化により、先端医療に向けた高機能なバイオマテリアルを創製しています。さらに、計算化学による機能発現メカニズムの解明やバイオミメティックなプロセスによる精緻な構造構築についても研究を展開しています。天然のDNAとは骨格構造が全く異なる新たな人工核酸を創成し、次世代型核酸医薬、光駆動型DNAナノマシン、高機能ナノマテリアルへと展開しています。また人工核酸を通じて生命の起源に迫る研究も行っています。化学を駆使して生命システム(脳機能)を理解する「ケミカルバイオロジー」と「化学遺伝学(ケモジェネティクス)」を駆使し、脳機能のような複雑な生命システムを詳細に解明するための分子技術の開発を進めています。微生物で低炭素社会を実現するこれまで微生物を使った反応では困難とされていた気相での反応を独自技術で実現し、薬の原料となる揮発性の有機化合物の合成や二酸化炭素の高効率な固定化を行う研究をしています。Chemistry and BiotechnologyMolecular and Macromolecular Chemistryナノからマクロスケールの私たちの生活は、医薬や有機電子材料、繊維など機能を持った有機化合物に支えられています。本専攻では、小分子から巨大分子(高分子・超分子)まで全ての有機化合物の物性・合成と応用に関する高度な専門知識が身につきます。広範な分野の世界最先端研究を通して、社会で活躍できる研究者を育成します。■有機構造化学   忍久保 洋 教授■有機元素化学   山下 誠 教授■有機反応化学   大井 貴史 教授■触媒有機合成学  石原 一彰 教授■高分子物性学     高野 敦志 准教授■機能高分子化学    上垣外 正己 教授■高分子組織化学    竹岡 敬和 准教授■超分子・高分子化学  八島 栄次 教授原子・分子レベルでの物質制御に基づき、持続可能な社会を支える新物質を生み出し応用展開する学問領域を担います。固体化学や物理化学に関わる深い知識を涵養する専門教育と、化学の視点から物質の成り立ちを解明し革新材料の創製につなげる研究を行います。新たな研究フロンティアを拓く研究者を育成します。■触媒設計学      薩摩 篤 教授■材料設計化学     鳥本 司 教授■エネルギー変換化学  菊田 浩一 教授■構造機能化学  松田 亮太郎 教授■機能材料化学  大槻 主税 教授■多孔材料化学  中西 和樹 教授■機能物質工学  長田 実 教授■ラジカル化学  熊谷 純 准教授生命現象を分子レベルで解析・理解すると共に、その機能を人工的に再構築して幅広く利用することをめざしています。バイオテクノロジーの開発や生物機能を抽出・デザインする技術によって、「いのち」の精緻な働きを工学的に利用していく道を拓きます。基礎と応用を有機的につなぐ研究者を育成します。■ナノバイオ計測化学  馬場 嘉信 教授■生体分子応用化学   村上 裕 教授■生命超分子化学    浅沼 浩之 教授■化学遺伝学       清中 茂樹 教授■生物化学工学      本多 裕之 教授■分子生命環境プロセス  堀 克敏 教授7有機・高分子化学専攻有機化学講座高分子化学講座有機化合物の化学材料・物質の創製と応用持続型社会を支えるいのちの働きを工学する講座紹介応用物質化学専攻Materials Chemistry応用物理化学講座固体化学講座生命分子工学専攻Biomolecular Engineering分子生命化学講座生命システム工学講座化学生命工学科

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