高性能コンピュータを使って大量の測定データを解析する上空からの調査とあわせて、地上でのフィールドワークも欠かせない木材や果物の特性を非破壊で分析する近赤外分光ラインカメラの前で生育環境を人生育環境を人工制御した「植物工場」で小松菜の生産性向上をはかるで小松菜の生名古屋大学農学部案内2024071994年、新潟大学大学院自然科学研究科環境科学専攻博士後期課課程修了、新潟大学農学部助手、名古屋大学農学部助手、名古屋大学学大学院生命農学研究科助手、同助教授、同准教授等を経て、2019年、年、名古屋大学大学院生命農学研究科教授授2011年、名古屋大学大学院生命農学研究科博士後期課程修了、201名古屋大学、助教、講師を経て、2021年、名古屋大学大学院名古生命農学研究科准教授生命生物システム工学森林資源管理学稲垣 哲也 准教授 博士(農学) 私たちは「農学と工学の融合」をキーワードに、生物資源を有効に利用するための技術開発に取り組んでいます。研究対象は木材や野菜・果物などの自然の恵みですが、その機能や特性を分析する手法は限りなく工学的です。具体的には、可視光線と赤外線の中間にある近赤外線を使った近赤外分光法や、マイクロ波より波長が短い電磁波を使ったテラヘルツ分光法によって、機能や特性を見える化し、正確に解析する技術の確立をめざしています。 これらの技術は、木材の強度や密度、果物の糖度といった品質を、正確、安価、簡便に測定できる装置の開発につながり、林業や農業の発展に貢献できます。例えば、近赤外線による木材の寸法安定性や耐久性を高めるアセチル化を視覚的に正確に評価できる技術は、高層の木造建築に使う構造材の開発や品質検査に応用できます。また、センサと画像処理技術を応用した、植物にとって心地よい環境を植物と対話しながら実現する「植物工場」の研究も進行中です。 すでに私達の研究室を巣立ち、母国で研究職に就いているアジア諸国からの留学生も大勢います。彼らとも連携・協力して、データサイエンスを使ってアジアの農作物や木材の品質向上に貢献できる研究プログラムも起ち上げていく計画です。農学と工学を学んだ人材の活躍の場は、今後も国内外で大きく広がっていくと思います。山本 一清 教授 博士(農学) 地球温暖化に関わる二酸化炭素。その地球規模の循環の中で、森林は吸収源や貯蔵庫として大きな役割を果たしています。この森林の状態を正確に把握し、資源として活用するために、私たちは航空機やヘリコプター、ドローンを使った先端的な計測技術を開発してきました。例えば航空機に積んだLiDAR(レーザを使ったリモートセンサ)を使って、一本一本の樹木の高さ・位置を正確に測定する技術や、樹種や幹の太さを推定できるシステムを企業や行政と協力して独自に開発してきました。さらに私たちが開発する解析システムは、森林の将来の姿を予測することにより、森林をどのように育成していくかを判断するための指標づくりにも貢献しています。 森林は生きています。木の大きさはもちろんのこと、成長のスピードも生育環境や地形によっても異なります。したがって、LiDARによって測定された森林の情報は膨大なデータになりますが、それらをデータベースに取り込み、スピーディに解析するシステムやソフトウェアを開発するためには、プログラミングや機械学習の知識を駆使することが求められます。今、森林に関わる学問分野にも急速にDX(デジタルトランスフォーメーション)が進展しています。最新のIT技術を使って、地球温暖化抑制に貢献する森林資源の管理を支える計測・解析技術の開発には、大きなやりがいを感じています。生物資源を無駄なく利用することを目的に、最先端のシステム工学を駆使した機械プロセスを開発。地球環境負荷の低減に貢献します。先端のIT技術を駆使し、一本の木にいたるまで上空から正確に計測。森林の管理と森づくりの将来に活かせる技術の開発と実証をとおして、地球温暖化の抑制をめざします。
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