名古屋大学 大学案内 2024
77/104

www.kmi.nagoya-u.ac.jpwww.mirai.nagoya-u.ac.jpGUIDE TO NAGOYA UNIVERSITY 2024 76※KMIは理学研究科の学生への学習機会を提供しています。KMIが参画するBelle II実験(C)Belle II / KEK高齢化するニュータウンでの自動運転移動サービスES総合館C26F34MAPC24MAP素粒子宇宙起源研究所未来社会創造機構物質の根源・宇宙の起源に挑戦する 物質の根源・宇宙の起源が何であるかは、長く人類が追究して来た命題です。名古屋大学では、大学草創期から独創的な素粒子論研究の礎が坂田昌一博士らによって築かれ、これらが小林・益川理論へと繋がり、小林・益川両博士の2008年ノーベル物理学賞受賞に至りました。また、理論的研究と共に、早い時期から素粒子・宇宙分野の実験研究が進められ、チャーム粒子、タウニュートリノの発見、小林・益川理論の実証など、現在の標準理論を確立する上で鍵となった第一級の世界的成果を生み出しています。 素粒子宇宙起源研究所(KMI)は、名古屋大学におけるこれら輝かしい伝統をさらに発展させるべく、素粒子理論・実験分野、宇宙理論・観測分野、数理物理学分野、宇宙線研究分野の関連研究者を結集し、現代物理学の新たな地平を開拓することを目的としています。 KMIの研究者は、LHC実験、スーパーBファクトリー実験、スーパーカミオカンデなど新しい現象の発見が期待される国際的な実験プロジェクトで中心的役割を果たしています。さらに、標準理論を超える理論模型、弦理論など、独創的な研究で世界をリードしています。 理論研究、加速器実験、宇宙観測という様々な手法で研究を進めるこれらの人材を結集し、密接に連携することで、KMIは名古屋大学でのみ可能なダイナミズムを持つ研究組織を目指します。産学連携によるイノベーション創出 SDGs(Sustainable Development Goals)に代表されるグローバルな社会課題は、今後ますます深刻化、複雑化することが懸念されています。大学も社会、市民と密接に連携して、その解決に向けて邁進しなければなりません。 未来社会創造機構は、最先端の産学連携プロジェクトを推進するため、「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の採択を機に、部局や研究領域を横断してプロジェクトに取り組む組織として設立されました。本機構では、産学官連携による「アンダーワンルーフ」のコンセプトに基づき、様々な大型産学官民連携プロジェクトの実施主体として、研究プロジェクトを主導しています。 また、「オープンイノベーション機構の整備事業」により、研究成果を社会実装に結び付けるためのプロモーション機能を担う「オープンイノベーション(OI)推進室」を設置し、民間企業出身の専門家を登用することにより、競争領域を中心とした大型共同研究のマネジメントを可能とする体制を構築し、社会実装を目指す次世代産業の提案に取り組んでいます。 令和5年5月1日現在、民間企業が10の研究部門/センターを設置し、企業研究者と大学教員が連携しながら研究開発を実施しています。また、複数の自治体と連携し、実証実験を行うフィールドを提供いただく等、多岐にわたる協力体制を敷いています。ナショナルイノベーションコンプレックス(NIC) 本機構は、2022年4月に設置期限更新・改組を行い、研究組織として「モビリティ社会」、「ナノライフシステム」、「マテリアルイノベーション」の3基幹研究所、OI推進室に加え、「予防早期医療創成センター」を移設して本機構内の横連携を強化するとともに、「脱炭素社会創造センター」を設置して2050年カーボンニュートラルの実現を目指した活動に主体的に取り組む体制を整えました。 さらに、あるべき未来社会をデザイン、提言するシンクタンク組織「Future Society Studio」、研究科横断で博士人材育成を担う「超学際人材育成室」を設置し、「総合知」によって社会課題解決および人材育成を推進していきます。※当機構は工学部・情報学部の学生に対する教育も行っています。

元のページ  ../index.html#77

このブックを見る