先輩からのメッセージNAGOYA UNIVERSITY432018年度修了2016年度卒業2021年度修了私はジェンダー学分野で、現代アメリカにおけるレズビアン・フェミニズムの意義やトランスジェンダー排除の問題に関して歴史学の観点から研究をしています。レズビアン・フェミニズムは、様々な問題を抱えつつもフェミニズム史上重要な役割を果たしてきました。その再評価を行い、現在における意義について明らかにすることが私の目標です。私は元々西洋史学を専攻していましたが、より専門的にジェンダー学を学ぶために大学院へ進学しました。大学院では専攻する分野の指導教員以外に、副指導として他分野の先生からも指導を受けることができます。私はアメリカ史の先生から歴史学研究に関する指導を受け、ジェンダー学と歴史学の横断的な研究を行っています。夕べ見たテレビ番組、今朝読んだ新聞、お昼休みに交わした友人との会話、帰りの車で聞いたラジオ、電車で読んだ小説……私たちの周りには日本語があふれています。耳から入る日本語、目から入る日本語、その言葉の歴史的変遷や方言による差異に至るまで、日本語に関するすべての事実が日本語学の研究対象です。私自身は日本語の文字・表記の歴史を手書きと印刷の関係から紐解くことで、当時の文字を使ったコミュニケ―ションのありようを探ろうとしています。博士前期課程修了後は、私立大学の事務職員として採用され、入試や入試広報に関わる業務に従事しました。責任ある業務を支えたのは、論理的な思考力や分かりやすく説明する力といった、日本語学を通した人文学のトレーニン私は人文学研究科で日本語教育学を専攻し、日本語の反復構文「〜も〜も」「〜ても〜ても」「〜でも〜でも」の意味特徴について研究しました。入学前に中国の大学で8年半日本語を教えていましたが、この度また中国の大学に戻って日本語教師を続けます。2019年4月に日本に来て、3年間のうち2年間はコロナでオンライン授業が続きました。この2年間研究がうまく進まなかった人もいたと思いますが、私はかえって落ち着いて研究室やアパートで研究に集中できました。それに、名古屋大学の図書館は本当に素晴らしいです。今まで「ない」とか「できない」と言われたことは一度もありません。ここには私の研究をサポートする条件がすべて揃っていました。また、日本語教育の院生室で、院生同士で大学院の授業は、学部時代までの受け身の講義ではなく、能動性が求められるディスカッションが中心になります。事前課題の論文を読んだうえで、自分の考えや問題点などを学生同士で話し合い、より考えを深めていきます。自分の意見を整理・発信し、意見交換を行うことは、研究活動においても重要になります。こうした研究に役立つ力を養うのが博士課程の目的の一つなのではないでしょうか。一概に「ジェンダー学」といっても、多様な研究がそこにはあります。文学やメディアにおけるジェンダー表象研究、性的指向や性自認にかかわるセクシュアリティ研究、ジェンダーに関する社会政策研究など様々です。その他の専攻も同様だと思います。多様な研究に触れ、刺激を受けることができる大学院に是非入学してみてください。グによって得られたものでした。日々業務に追われる中で、身近な研究対象から自分だけの秘密を探し出した時のうれしさと、そのうれしさが他の誰かに伝わったときの「あの味」が忘れられず、こうして再び研究の世界に飛び込んできました。人文学の知は、人間が人間とともに生きてきた、また、人間が言葉で考え言葉でコミュニケーションをとってきた事実の、過去から現在までをつなぐ集積体だと思います。皆さんも私たちと一緒に身近なテーマから小さな大発見をしてみませんか?その一つ一つが大きな知の集積である人文学の一端だとしたら……とってもワクワクしませんか?そのワクワクを共有できる仲間が、名古屋大学大学院人文学研究科で待っています。ともに未知の世界への第一歩を踏み出しましょう。指導教員と話しづらい悩み事、学会の紹介、アルバイトなどさまざまな情報交換をよくしていました。留学生の場合は、学費免除や奨学金を申請することもできます。私はロータリー米山奨学金のおかげで、最後の2年間ほとんど経済的な心配がなく、研究に打ち込むことができました。日本語教育は実用性の高い分野で、理論として学んだことを実際に応用することができます。この5月に赴任する大学からは、日中・中日の翻訳・通訳プログラムをぜひ強くしてほしいと言われています。これまで積み重ねられてきた翻訳・通訳の経験と、専門的な指導法をいかに融合して活用するのかが私の目下の課題です。今後、自分の研究テーマと就職先の学科建設とを有機的に結合して、日中対照研究でさらなる一歩を踏み出したいと考えています。多様な研究に触れる村﨑菜美ジェンダー学 博士前期課程修了(原稿執筆時は博士前期課程2年)広島大学文学部 2020年度卒業言葉を言葉で考え言葉で説明する坂上優太日本語学 博士後期課程3年私立大学事務職員 2019〜22年日本語学 博士前期課程 都留文科大学文学部 理論的且つ実践的な日本語教育崔 小萍大連大学日本語言文化学院 講師日本語教育学 博士後期課程 大学院在学生・修了生からのメッセージ
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