名古屋大学 大学院 環境学研究科 2025
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今、地球環境は危機に直面している。人間活動は膨張し、その負荷は地球や地域の許容限度を越え、自然環境はバランスを崩し始めている。こうしたなかで、これからの50年、100年を見据えて、わたしたちが、人類の将来をどうデザインするかは非常に重要だ。名古屋大学大学院環境学研究科は、2001年、理学、工学、人文社会科学が結集して「環境」をテーマに研究と教育を推進する、日本初の本格的な文理融合型の研究科として誕生した。そして、環境学研究科の両輪として、2つの具体的でユニークな横断的理念を掲げている。「持続性学」と「安全・安心学」。この2つの理念の下、教育、研究活動、そして社会との連携を進めていく。環境という大きなテーマに取り組むとき、人間の多様性が大いに力を発揮すると、わたしたちは信じている。理学、工学、人文社会科学、それぞれの分野を深めながら、幅広い知識に裏打ちされた思考力と方法論で環境学を学ぶ。社会および国際連携による交流を通じて、世界の今を知る。それこそが、複雑な現実を読み解き、結びつけて、全体像を構築する横断志向型の学理であり、従来の学問領域を超え、異なる国、地域、人々の発想をつなげて初めて可能となる。名古屋大学大学院環境学研究科は、地球環境の危機を回避する大きな戦略の一歩となるよう、人類が積み上げてきた知を若い世代に伝え、これからの地球の世紀のために、その知を生かす人材を育てていきたいと考えている。地球と社会をつなぐ視座領域を超え、多様性をはぐくむ

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