経済学部のカリキュラムにおいて、ゼミナールは重要な役割を果たしています。ゼミは必修で、教員と原則8名までの学生によって構成されます。ここで専門分野の研究を集中的に行います。まず2年次秋学期に、各教員によるゼミのテーマの発表、先輩達によるゼミ紹介などを参考にしてゼミを選択し、書類審査や面接を経て、所属ゼミが決定されます。そして、3年次からゼミが始まります。各ゼミの活動内容は多種多様ですが、一般的には、数冊のテキストを読み、報告・討論する形で運営されます。工場見学や企業調査を行ったりするゼミもあります。また、夏休みには、レポートが課さ木越ゼミナールは歴史を経済学で考える訓練を行っています。歴史は1回限りの出来事のようですが、経済発展という観点から理解すると時代や国を超えた共通の論理を持ちます。その共通性を理解した上で、細かな部分に目を向けて、はじめて時代と国の個性が見えてきます。そのためには、史料に触れるだけでなく、社会科学の方法と理論を学ぶことも重要です。時には、フィールド活動を通じて文字で記録された内容を仮想的に実感することも有益です。複数のアプローチによって、歴史を多面的に理解できる力を養成することを目指しています。様々な学生から刺激を受け多角的な視点を得られるとともに、意見を伝えることを通して自ら考えを深めることが出来ました。授業では時折名古屋市内の博物館を訪問することで、知識や興味の幅を広げられました。そして4年次には、これまで学んできた知識を活かし、先生の指導のもと卒業論文を作成します。自らの興味を探求する面白さを実感しています。 仙場ゼミでは、会計学基礎知識を習得し、会計学を中心としながら、経営学・経済学における現実問題にアプローチできる分析力・思考力の構築をゼミの目標としています。3年生を中心に(4年生も参加可能)、会計学の基礎と応用の習得を目的とし、基本的なテキストを輪読・討論します。その後、ゼミ生それぞれ関心のあるテーマを選び、関係ある文献を用いて報告・討議していき、卒業論文のテーマ選びまで行います。4年生を中心に(3年生も参加可能)、これまでの学習内容を基礎として、先行研究に関わる議論を全員で行いながら、それぞれ卒業論文を執筆します。ゼミ内学生間の懇親促進のため、定期的にランチ懇親会が開かれています。業論文の作成に取り組みます。意見交換を通じて、経済的な実態をより適切に反映し、意思決定に役立つという会計報告の目的がどのように達成されているのかについて理解を深めることができます。特に、自分とは異なる着眼点からの質問や意見を聞き、考え方の幅を広げることができる点がとても有意義だと感じます。 れたり、ゼミ合宿を行ったりすることもあります。インターゼミナール(他大学との研究発表会)に参加するゼミもあります。4年次には、卒業論文の作成が重要な課題となります。研究テーマを絞り込み、より専門的な文献を読んだり、詳細なデータ分析をしたりします。そして1月中旬に、4年間の勉学の集大成として、卒業論文を提出します。この他にも、ゼミ旅行やコンパ等、ゼミ単位の行事がたくさんあります。このように、ゼミは単に専門知識を学ぶだけの場ではなく、教員や学生同士の人格的交流の場でもあります。ゼミ活動にどのように関わるかで、経済学部の生活は大きく変わるといっていいでしょう。徹底した少人数制による専門研究と人格的交流の場木越ゼミナール仙場ゼミナール3木越ゼミナールでは、主に経済史について学んでいます。3年次前期には経済史に関する論文を、後期には宮本又郎他編『1からの経営史』(碩学社,2014年)を輪読し、その内容についてゼミ生と議論しました。先生の指導のもと経済史の知識だけではなく、アカデミック・ライティングの基礎を身に着けました。また、慶應義塾大学・立教大学との合同ゼミや学内の合同ゼミでは興味のあるテーマに関する研究報告を行いました。議論や発表から、仙場ゼミは、財務会計や企業のディスクロージャー制度を研究対象とするゼミです。学習グループと研究グループの二班に分かれて活動しています。学習グループの活動内容は教科書の輪読です。今年は『新・現代会計入門』を使用し、章立てに従って現行の制度が形成されるに至る歴史を学ぶとともに、会計学上の概念や理論、歴史に関する知識を身につけています。研究グループでは、学習グループで得た知識や発見をもとにテーマを決定し、卒名古屋大学経済学部案内4年 鈴木 翔子 さん4年 淡路 理菜 さんゼミナールで学ぶ
元のページ ../index.html#4