名古屋大学 理学部 2025
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Department of Biological Science13生命理学科もっと詳しく 世の中に満ちあふれるさまざまな生命現象。その背後にどんな原理が隠されているのか。生命理学科は、この知の地平に挑み、現象を理解すべく道を拓いてきました。その過程において、最先端の方法や技術、考え方が身につくだけでなく、人間社会への考察が深まっていきます。これからを生き抜く新たな視点も、きっと見えてくるでしょう。 生命科学は生き物をいろいろな「階層」から見て、生きているってどういうことなのか追求する学問です。分子レベルから、植物や昆虫の個体や群れ、生態系…対象となる生き物を探っていると、じゃあその生き物と人間はどこがちがって、どこが同じなのか。人間を人間としているものは何なのか、そんな哲学的な問いにまで至る奥深さとロマンがあります。私はショウジョウバエや蚊を対象にその行動と脳の研究をしていますが、わからないことを追求する喜び、それを一生できるのは幸せだと思っています。 生命理学科では、2年生は生命科学の基礎を、3年生前半は自分の好きな分野の授業を選択し、後半からはもう研究室に入って専門的な研究を始めます。自分の手を動かして工夫して、実験して、教科書に載っていない新しいことを発見するのが研究室での目的。授業を受身で聞いているより絶対楽しいですよ。生命理学科には高校で生物を選択しなかった人もたくさん学んでいます。そういうバックグラウンドの違いって大歓迎。面白いアイデアをぶつけあいましょう。 食糧、エネルギー、病気、今世界で起きているさまざまな問題は、生命科学が解決の糸口になる可能性がかなり高い。世界が抱える問題に迫る将来性のある分野だと思います。上川内 あづさ かみこうち あづさ生命理学科 教授ショウジョウバエや蚊のコミュニケーション手段である「音」は、どのように脳の神経機構で処理されているのか。その聴覚研究は動物の脳の進化を解き明かすだけでなく、人間の脳のシステムへの解明にもつながると信じている。教科書にない、新しいことを発見しよう生命現象の原理を解き明かす生命理学科

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