名古屋大学 理学部 2025
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15地球惑星科学科もっと詳しく 地球という第一級の対象を、諸惑星との比較において、過去・現在・未来の状態を解明し、研究するのが地球惑星科学です。グローバルな視野に立ち、調査・観測・実験・理論などの手段を駆使して、かけがえのない地球の未来と、それに深い関わりをもつ人類の未来の発展に貢献します。 私たちには「地球」という明確な対象があります。もし、この惑星が今とはちがった進化を遂げていたらどうなっていたか。我々は存在したのか、そこに当たり前にある海は、岩石は、実は当たり前ではないかもしれない。地球は我々を生み出した「奇跡の惑星」です。そういう地球の全体を見て科学的に解明するのが、地球惑星科学です。 扱う分野は、私は地球のマントルの研究ですが、地質や大気水圏、生態学や地球環境そして惑星としての地球を知るために小惑星や探査機「はやぶさ」に関わる分野もあって、幅の広さが自慢です。2年生の終わりに行う2週間のフィールドワーク実習は、この学科の大きな特色で、その先どの研究分野に進むにしても糧になる体験だと思っています。この実習を終えると「みんな、地球惑星科学の学生になったな」と実感します。 地球惑星科学は、実際にその場に行ってものを見たり、触れたりする。それが特色です。最初は漠然としていても、対象分野が広いので、好奇心が持てるテーマに必ずめぐり合える。それに熱中することで「発見する喜び」が得られるでしょう。温暖化や環境問題など地球の抱える諸問題に興味を抱いたら、その解決策を自分の手で探してみませんか。Department of Earth and Planetary Sciences道林 克禎 みちばやし かつよし地球惑星科学科 教授地球の動きや状態を解明する手がかりを求めて「超深海」に挑み、マントルが露出した岩石を観る。2022年小笠原海溝の水深9801mに到達し、日本人の最深潜航記録を60年ぶりに更新。「奇跡の惑星」を解明しよう“かけがえのない地球”の諸問題に挑む地球惑星科学科

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