07数理学科もっと詳しく 数学はさまざまな学問の発展に不可欠なものです。その魅力は定理・事実の発見の喜びにあるだけでなく、理論・構造の美しさにもあります。高校までの数学は、定理や公式を理解し練習問題を解くことが目的のように思われがちです。ちがいます。大学ではたとえ学生であっても、荒野に道を切り拓くように数学の創造に参加することが求められます。そこになによりの楽しさがあるのです。 高校生のみなさんは、大学で数学って何するんだろう?と思っていませんか。私もそうでしたから。私の場合、人の頭に「つむじ」があるワケを数学で説明できると聞いて、それは面白そうだと。なぜつむじがあるのか。普通は生物の話かなと思うでしょうが、よく考えてみれば図形ですからね。これは面白そうだと思って大学は数学科を選び、卒業間近に「位相幾何学」がつむじと関係することを知り、さらにもう少し知りたい、もっと深く知りたいというのを続けてきたら、位相幾何学の一種の「結び目理論」の研究者になっていました。 数理学科では、3年生までに基礎力をつけ、4年生は各自のテーマで卒業研究に取り組みます。その過程で自分の証明が正しいかどうか、指導教員に限らず多くの人と議論します。その工夫のひとつとして、自由な質問のための時間と場所を「Cafe David」と名付けて設定しています。言うならば、学科が一つの「研究室」のイメージ。たくさんの教員と先輩で学生の学習や研究を応援するかたちになっています。 何の役に立つかわからない、けれども何か不思議だなというところが数学で説明できる、そういうのって面白いと思いませんか。そして思いがけない形で他の分野とつながる、そんな可能性を秘めているのが数学の世界です。Department of Mathematics川村 友美 かわむら ともみ数理学科 准教授胸にお手製の結び目のブローチ。結び目理論とは単純に言うと紐のもつれ具合を調べる幾何学。「DNAや分子の構造の研究にもつながるという話もあります」。“不思議”を数学で解いてみる自然科学における共通言語それが数学数理学科
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