名古屋大学 医学部医学科案内 2025
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11日々努力を続けております。日本で唯一の大学での独立した診療科として、上肢の診療と研究を行っています。手や上肢の外傷や変形性関節症などの変性疾患、末梢神経障害や先天異常、そして腫瘍などの治療を行い、国内外で多施設共同研究も進めています。人間拡張の観点から再生医療や医工連携を用いた基礎研究を行い、革新的な治療技術の開発に取り組んでいます。やけど、顔のけが、あざ、がんを切除したあとの欠損や変形を移植手術により治します。切除する外科ではなく、創造する外科です。マイクロサージャリー(顕微鏡下手術)で1〜2mmの血管をつないで皮膚や骨などを安全に移植します。再生医療として人工皮膚、脂肪由来幹細胞を研究しています。周産期、婦人科腫瘍、生殖内分泌、そして女性医学からなる幅広い領域で、あらゆる世代にある女性の健康をトータルに支える診療科です。また産婦人科には外科的治療から内科的治療まで一貫して行う女性医学としての特徴もあります。まず周産期医療とはいわゆる産科という診療域で、正常分娩の管理だけではなく、幅広いハイリスク妊娠の診療にあたっています。また、切迫早産、妊娠高血圧症候群・分娩時(後)異常出血などの母体救急にも対応し、安心な妊娠と安全な出産を通して健やかな母児の管理に努めています。次に生殖医療は、ホルモン治療、高度生殖補助医療、内視鏡下手術を含む生殖外科治療等のあらゆる手法を用いて、生殖医療の専門スタッフが、難治性不妊症・不育症に取り組む診療域です。そして婦人科腫瘍は子宮や卵巣に発生する腫瘍で、これらは比較的若い女性に好発する特徴があります。個々の患者さんの病態に応じてロボット支援下内視鏡手術など低侵襲治療を選択し、一方で高度進行癌に対しては、他科連携の上、積極的に拡大手術にも取り組んでおります。良性腫瘍に関しては内視鏡治療だけでなく血管内治療を活用した手術以外の治療も取り入れています。我々は産婦人科の各分野において、女性の一生に包括的に貢献できるよう小児科は、時間軸でいえば、母親の胎内の胎児から、思春期までを守備範囲としています。臓器別にみても、血液、神経、循環器など、子どものすべての領域の病気に対応しています。さらに疾病だけでなく、健康な子どもの健全な発育、発達を見守るのも小児科医の重要な使命です。名古屋大学医学部附属病院は、愛知県で6病院の「総合周産期母子医療センター」の1つに選ばれており、また、全国で15病院の「小児がん拠点病院」にも認定されており、この分野の最後の砦として先進医療の提供に努めています。老年内科は、ご高齢の方を総合的に診療する科です。脳卒中や心不全、肺炎、認知症など内科的診療を中心とし、骨折や排尿障害、褥瘡など広い範囲の疾患に対応し、内科や老年病、認知症などの専門医を取得します。研究については、加齢による生物学的変化や病態の基礎的研究の他、認知症やフレイル(虚弱)・サルコペニア(筋肉減少)など様々な疾患に関する研究、疫学的研究、エンド・オブ・ライフ(終末期)、倫理的・法的研究、保健・医療・介護制度など、社会的ニーズが高いテーマを多く持っています。小規模な科にてアットホームな雰囲気の中、各医師が主体的に活動を行っています。わが国で老年内科を持つ大学は多くなく、名大老年内科は名実とも、老年病の臨床家、研究者が集まる有数の拠点です。病院でも診療所でも、患者のほとんどは高齢者。医師に必須の高齢者診療スキルを身に着けながら、ご高齢の方やご家族らと共に歩み、生と病、幸せを考える場が、老年内科です。拡張現実を導入した肘関節鏡顕微鏡下で動脈を吻合しているところ失明の主な原因である糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、緑内障、遺伝性網膜ジストロフィを含む眼疾患を対象に診療と研究を行っています。各疾患の早期発見、診断、治療に最新の機器を用いて取り組み、最新の治療法も積極的に導入しています。研究については、各疾患のメカニズム等の解析を目指した基礎研究から画像や疫学も応用する臨床研究、さらには難治性の遺伝性網膜ジストロフィに対する遺伝子治療の開発・研究も行っています。また、網膜硝子体手術や緑内障手術を活発に行っており、手術のバーチャルトレーニングシステムなどを用いた教育にも力を注いでいます。耳、鼻、のどの領域の炎症、腫瘍、外傷、先天性疾患に対する治療を行っています。聴覚・味覚・嗅覚など多くの感覚を担当し、コミュニケーションとして重要な発声器官である喉頭および発声をききとる耳が含まれています。耳は、外耳、中耳、内耳とわかれていますが、最近内耳の内リンパ腔の画像化に放射線科との協力で世界ではじめて成功しました。内耳の内リンパと外リンパの関係を図示しました。現在、内リンパが異常に膨らむ内リンパ水腫と症状の関係について調べています。口蓋裂などの先天性奇形、口腔がん、顎変形症、顎関節症、外傷、インプラントによる咀嚼機能回復などを担当します。また骨の再生医療にも力を入れています。顎骨にインプラントを植立したくても骨が十分にないとき、腫瘍などで顎骨の一部を失ったときなどには幹細胞や幹細胞が分泌する成長因子を用いた骨再生医療が力を発揮します。放射線医学は大きくわけて以下の4つの分野から成り立ちます。1)電離放射線、電磁波、超音波などを用いて人体内部を観察し疾患を評価する画像診断学、2)カテーテルや針などを病巣へ導いて低侵襲に治療を行うIVR(interventional radiology)、3)腫瘍に放射線を照射して治療する放射線治療学、4)放射能を有するラジオアイソトープを用いて診断、治療を行う核医学。これらの4つの分野はいずれも、現在の臨床医学全域においてますます重要度を増しています。それぞれの分野は連携しながら、高度で安全、低侵襲な最先端の診療、研究を行ない、将来の医学を担う人材の育成に努めています。病気を診断するための血液・尿便検査、心電図、心エコー、脳波、筋電図、輸血、および病理検査を担当しています。名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野は、救急科および救急・内科系集中治療室を担当すると共に、広く診療・研究・教育の3つに寄与し、高度急性期医療を担う救急医療と集中治療の人財を育成しています。心肺停止、敗血症、外傷、急性中毒、意識障害、呼吸不全、ショック、環境異常症などの緊急性の高い全身性病態に加えて、治療中の疾病の急性増悪を指導する「救急科専門医」と「集中治療科専門医」を育成しています。臨床研究では「心肺蘇生」や「敗血症」の予後予測スコアの開発、「全身性炎症」、「敗血症」、「急性期栄養管理」などの解析研究を継続しており、救急診療と集中治療の診療データベースの作成を重視しています。その基礎となる基盤研究では、多臓器不全の病態解析に着手し、急性肺障害、ショック、急性腎障害、播種性血管内凝固などの新規創薬として、急性期再生医療および臓器障害の器質化を阻止する手法の確立を目標としています。左:顎変形症治療前後右:手術シミュレーション用実体モデル●手の外科●形成外科●産婦人科●小児科●老年内科●眼科●耳鼻いんこう科●歯科口腔外科/顎顔面再生科●放射線科●臨床検査●救急科

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