入山・矢島研究室(材料デザイン工学専攻)所属島 颯一▲開発した材料を測定装置にセットする治具も自分で開発・ 製作。ノイズのないきれいなデータを取得できました。▲既存のボールペンの形状を模倣したのに始まり、 PC用キーボードなどを製作。今も自宅で使っています。シンクロトロン光のライン先端の透過型電子顕微鏡学部1〜3年次/幼少期から工作が好きで工学部を進路に選び、兵庫県から製造業が盛んな地にある名大へ。ものごとの仕組みを一から理解したい気持ちが強く、特に3年次の「マテリアル固体物理」など、ミクロスケールの原理を理解できる専門科目は、本当に楽しく学びました。一方、プライベートでは機械設計や電気回路を専門書で学び、CADで設計図を描いて3Dプリンタで実物を製作する趣味にも熱中。PC用のキーボードなどを完成させました。コロナ禍の時期も、学部の同級生や車好きの機械・航空宇宙工学科の友人とオンラインで交流しながら、モノづくりに没頭しました。学部4年次〜大学院/一般的なリチウムイオン電池が液体の電解質を使うのに対して、より安全で長寿命な固体電解質を使った「全固体電池」の開発が、世界的に注目されています。私の研究は、セラミックによる新しい固体電解質材料の開発。ミクロスケールの構造を理解し、Liイオンが通りやすくなるよう既存の材料を改良します。Liイオン同士の相互作用を活用して、約2倍の性能向上に成功しましたが、今後はさらなる向上のためにも、Liイオン輸送の詳細なメカニズム解明に挑みます。目指すモノづくりを実現するため、根本の仕組みを考え議論して進める研究の楽しさを味わっています。14キャンパスライフストーリー わたしの6年間注目の全固体電池材料の研究を通じて、ものごとの根本原理に迫れる面白さ。広がる産学連携・社会とのつながり産学連携を積極的に進めています。高熱伝導AlN繊維合成技術のベンチャー設立、研究機関(AIST、NIMS)との連携、中部地区企業との技術支援ネットワーク(テクサポネット)などを展開して、研究・技術力を発信しています。マテリアル工学を先導する大型先端計測設備マテリアルの機能をつかさどる電子結合状態を直接計測できるシンクロトロン光やマテリアルを構成している原子構造を観察できる最先端電子顕微鏡、マテリアル開発のために不可欠な機能発現の起源に迫ることができます。未来の自動車を生み出すマテリアル衝突安全性軽量複合材料、太陽電池、高容量固体燃料電池、水素製造のための触媒、高速成型加工、機械学習・理論計算と連携したマテリアル設計・プロセスの先端技術は皆さんが思い描く未来の自動車を実現します。ここがスゴイ! マテリアル工学科
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